-o-o- 27
義務教育ではない、という事は、あらゆる事に淡白だ。
先生が友達に、転入生と仲良くしましょう! などと言うはずもなく、
休み時間に包囲され、誰から行く? 何を聞く? という空気がじりじりと近づいて来るようなこともなく、
「今日は、ね。一人、ね。増えました、ね。……はい、じゃあ昨日の続きから」
ギブミー昨日の続き。
なんて言う暇も無く
学科のみんなも、彼女に捕捉されたんなら、といった反応で。
最後の講義が終わる頃には、こっちが名前も知らないクラスメイトから、
「岡本さん、明日の実技なんだけど」
などと呼ばれる程になっていた。
そんなこんなで。
放課後。
「えー!? サークル入ってくれないの〜?」
眉を八の字に、口を尖らせながら、涼ちゃんさんのブーイングを聞く。
「いや、あれはほら、巻き込まれたというか、まだ他にどんな部活があるかも見てないですし……」
「なぁんだ。じゃあ、体験新入部員だーっ!」
がしっ
「なんだそれ聞いたことないし昨日のでもう十ぶわぁぁぁあー!?」
謎理論にツッコんでいる間に
動きすべてが天真爛漫な栗毛のお団子に
縮地使いかよ、って言いたくなるほど一瞬で距離を詰められ
僕は捕まったのでした。
おわり。
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