-o-o- 25

ここは独立行政法人 国立高等専門学校機構 明鏡工業高等専門学校。


通称、キョーセン。


「昨日は無茶苦茶な目に遭ったなぁ……」


昨日の騒動のお陰様で、転入初日の緊張もどこへやらです。

……お陰様?


「入部届、どうしようかなぁ……」


他にどんな部活やサークルがあるか知らないままなのも、ちょっと惜しい気がするし、でも、いきなりあんな気軽に話しかけてくれた人達の存在もありがたいことこの上ないし。

でもでも……

うーん。

どちらにせよ――


「やっぱ一旦無しにしてもらうべきだよなぁ」


「なにをー?」


声のした方に振り向くと、視界の下の方にかろうじて捉えたお団子ヘアー。


「す、すずちゃんさん!?」


「なにそれおもしろー!」


けらけらっと笑った彼女は

おはよう! すずちゃんさんです!

そう言って、また笑った。


元気とは何か、と問われたら

今日からの僕は"栗毛のお団子"とも答えるだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る