-o-o- 24

「というわけで」


何が!?

……と、言いそうになって堪えた。

光太こうた先輩にとって、これ以上は何もかもが餌食だ。


「部員も増え、サークル名も決まった我ら一行いっこうは」


「「いや、まだ」」


明城みょうじょう先輩とキレイにハモった。

……え!? 明城先輩が言うのそれ!?


「今日はもう解散だが、明日から更に気合いれて活動だぞ皆の衆!」


「「おー!」」


今度はすずちゃんさんと白崎しらさきさんがキレイにハモった。

仲良いんだなぁ、っていうのがひと目でわかる。


……いやいや、待って待って。

僕、入部することになってる、よね。

なんかもう色々ありすぎて、それに比べたら入部くらい、とか思っちゃってる自分がいるあたり、ただでさえ緊張していたのもあって体力使い果たしたみたいで。


「あの……」


しまった。

何も考えずに切り出してしまった。

どうしよ、無いかな……何か……

うわぁ。玉邑たまむらさん、寝てるし。

そういや、玉邑さんだけ眼鏡してないんだな。なんでやろ。


あ。


「聞きそびれていたことがあるんですけど……メガネサークルって、普段は何をしてるんですか?」


数瞬の沈黙の後

眼鏡をくいっと直しながら

向瀬むこせさんが口を開いた。


「集う」


「だけ!?」


「うん」


「だけ!!!」


代わって返事をくれた明城先輩が

僕のリアクションを見て

今日一可笑おかしそうに

含み笑った。

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