-o-o- 22

一旦、目を閉じ、ゆっくりと開けて机に置かれた紙に書かれた文字を読み直してみた。


命名

おぷてぃかる!


「(だ、ださい……)」


隣のすずちゃんさんの顔色を伺う。

僕と同じ心持ちが全く隠しきれず表情に出ていた。


「ないわー マジないわー」


その言葉だけを覚えたオウムのように、玉邑たまむらさんがボヤく。

机にアゴを乗せ、こちらからは顔だけしか見えないような格好で否定し続ける彼女の頭を、ネコよろしく撫で続ける明城みょうじょう先輩。


対面に座った向瀬むこせさんは、伸びた背筋と開ききったままの瞳孔が元に戻らない。


「はっはっは! 絶賛の嵐の前も静かなもんだな! おいおーい!」


自信にしか満ち溢れていない光太こうた先輩は、鼻が天に向くくらい仰け反って自画自賛し続けている。


そんな彼を除く誰もが硬直と辟易に包まれる中

ゆっくりとペラ紙を手に取り

顔の前に掲げる

白崎しらさきさんの両の手が

静かに震えているようで

穏やかそうな

流石の彼女も

堪忍袋の――


「ステキ!!」


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