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笛吹うすい 光太こうた


「これで うすい って読むんですか」


「わたし、暫くふえふきさんって読んでました……ゆきえ先輩が……」


白崎しらさきさんが思い出したように染まった頬を手で覆う。


「ゆきえは意地悪よね」


「お前が言うか」


玉邑たまむらさんの言葉にすかさず反応する光太先輩。


「なんとなく……」


明城みょうじょう先輩は、眠たそうにも、少し笑っているようにも見えた。

本当に何を考えているのかわかんない人だ。

と思ったら、突然自分の頭をグーでぽこり。舌をペロり。

まぁカワイイ! とはしゃぐ白崎さんに、何度もてへぺろを見せつけ始めた。


玉邑たまむらは喜んだらしいがな」


向瀬むこせさんが割って入る。

結構喋るタイプなのかな。

にしても、喜ぶって……なんで?


「うすハゲピカ太……くん☆」


「て、てめぇ……血族に謝れ!」


全開のおでこを隠しながら怒りに打ち震える笛吹先輩を

それはそれは楽しそうに眺める

堕落した天使のような微笑みの玉邑さん。

この2人は、多分、こんな感じが平常運転なんだろうな。


すかさず涼ちゃんさんが見せてきたのは

漫画"うすハゲピカ丸くん"の最新巻だ。

準備にしては良すぎるよね。愛読書なんだろうか。

はい、見えてます、見えました。

顔に押し付けないでください。

しまってもらって大丈夫です。

僕のカバンに入れないでください。

ちゃんと返してねって顔しないでください。

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