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「まゆ、ひとり?」
「
捕まって、消えた。
今なら、彼女が喋ればすべて不穏な意味を含んだ言葉に聞こえてしまう。
いやいやいや、違う違う、部員の事だよな、うん。
かえでさん、だっけ。
鈴に捕まった、ってのは一体。
何かの俗語なんだろうか。
「部員ですか?」
「もう一人、
「へぇ〜……変わった名字が多いんですね」
みょうじょう
むこせ
ふえふき
どれも、これまで住んでいた地域ではまるで聞いたことの無い名字だった。
特に最後。
「たしかに、そうねぇ〜」
やれやれといった感じで黒髪を後ろに流しながら椅子に腰掛けようとした彼女が口を開く。
「たとえば……
その意地悪そうな口元を文字で表現するなら、キヒヒ、とか、イシシ、だ。
まゆさんと明城さんに、これみよがしにチラ見される赤いメガネ。
徐々に儚い顔になる赤いメガネ。
さよなら、なんとかさん、みたいな笑顔になる赤いメガネ。
「ちょっと
「気をつけて」
「とめようよ!?」
ノータイムで見送った明城さんにまで我慢できずにツッコんでしまった。
え?
なんですか?
ここから海沿いまで北に行くと?
観光名所にもなってる崖があるんだよ?
へぇー、有名な所なんですか、そのうち行ってみたいなぁ。
じゃなくて!
ああ、もうめちゃくちゃだ。
なんなんだ、このサークルは!?
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