第162話 石油

第162話 石油

**********

ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

**********



海神『今から900年後の未来で、人間は石油を見つけるのです』


キャッツ「セキユ?」


マリア「……聞いたことある?」


サリー「ううん……ない……」


キャッツ「見つけるってことは、今は見つかってないってだけで、もうすでに地球上にあるってこと?」


海神『ええ、そうです。地球上と言うのかはわかりませんが』


マリン「どういうこと?」


海神『地下にあるんですよ……地下資源である石油の存在と、その加工方法を人間は900年後、知ることになるのです』


ローズ「……じゃあ、今はまだその存在も、知られてないってことですか?」


海神『ええ、でも存在がわかってからは、恐ろしい速度で進んでいくんですよ』


マリア「石油を、どうしたんですか?」


アナスタシア「石油は発見されてすぐは、燃料という使い道しか知られてなかったの。でも時が経つにつれ加工次第で何にでもなるとわかったのよ……入れ物、履き物、着る物、食べられる物だって作っていたわ」


フィスト「なにそれ?魔法みたいじゃん」


アナスタシア「フンッ……そんなふうに喜んでたら、あの有様よ」


フィスト「なによ!」


ジャンヌ「やめなさいよ」


アナスタシア「便利なものを便利だと喜ぶだけで、その後始末も考えない……そんな連中に、このオーブを渡せないのよ!世界がひとつになったら、人間みんなで!あんな未来に向かってくんでしょ!」


サリー「……決めつけてなんかほしくないけど……」


リーフ「あんなに鮮明に未来が見えるんだから、しょうがないよね……」


マリン「ちょっと!諦めないでよ!私たちで海を守るのよ!」


リーフ「諦めてなんかないよ!諦めない……絶対に……私のおじいちゃんも、諦めなかった……」


キャッツ「?リーフ、なに?おじいちゃんって」


海神『……あなたは、エルフ族ですね。エルフの寿命は長いから、あなたのおじい様というと、相当な昔を生きた方だったのでしょう』


リーフ「はい……あの、アナスタシア……聞いてくれる?」


アナスタシアはリーフの目をまっすぐに見つめました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る