第163話 リーフの話
第163話 リーフの話
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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リーフ「……あの、アナスタシア……聞いてくれる?」
アナスタシアはリーフの目をまっすぐに見つめました。
リーフ「私のおじいちゃんね……エルフの里の、長老のひとりなの」
ブラド「そうやったん?」
キャッツ「私に聞かないでよ!」
マリア「そのへん詳しくは聞いてないわよね」
マリン「ていうかさ、長老なのに、その中のひとり?」
アナスタシアの方を見ていたリーフは、8人の仲間の方にも目をやりました。
リーフ「そうなの!ちょっと変だよね。なんか、エルフの里って、世界中にたくさんあるらしいんだけど、どこの里にも、長老が何人もいて、いろんなことを話し合って決めるんだって」
ローズ「すごーい!なんか、進んでるね!」
ジャンヌ「確かに、人間の国じゃ大体王様が一人で決めてるもんね」
リーフ「でね!その長老たちの中でね!私のおじいちゃんってば!すっごくバカにされてたんだよ!」
フィスト「なんでハイテンションなのよ」
リーフ「いいじゃーん!思い出したらなんか面白くって!」
サリー「えっと、リーフ、いいの?アナスタシア、待ってるよ」
リーフ「あ、そうだよね!ごめんね!」
アナスタシア「……で、おじいさんは、なんでバカにされてたの?」
声に怒りはなく、ただ、話の続きが気になる、そんな様子でした。
リーフ「えっとね、人間たちと、関係を絶たないようにしようって、言いだしたからだよ」
マリア「そっか、ドワーフの里でも聞いたね」
ブラド「人間がほかの種族にひどいことしたんよね」
キャッツ「ほんと、ずいぶん昔の話とはいえ、自己嫌悪になるわ……」
アナスタシア「……」
リーフ「私は、エルフが何をされたか聞いてないけど、おじいちゃん以外の長老たちがすごく怒ってたから、きっと、エルフは人間のこと、すごく嫌ってたんだと思う……でもね、おじいちゃんは、『それじゃダメだ!』って言ったの」
アナスタシア「ダ、ダメ?」
フィスト「ざっくりだね(笑)」
リーフ「違うのー!なんかうまく言えないけどさ」
ジャンヌ「たしか、世界条約ができて、種族間でお互いに傷つけることはやめよう、ってなったんだよね」
リーフ「そう!それ!でもそれだけじゃ、仲良くなったことにならないじゃん?」
マリン「まぁね、ドワーフも、できるだけ人間とは関わらないようにしようとしてたわけだし」
アナスタシアは9人のやり取りに、戸惑いを感じていました。
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