第158話 アナスタシア

第158話 アナスタシア

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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9人は声が聞こえてきた方を見ました。

神殿に立ち並ぶ柱の奥の空間から見えたのは、少女の顔でした。


薄いブルーの髪にはウェーブがかっていて、貝殻の髪飾りがついていました。

身に付けているものは髪飾り以外には、セパレートの水着だけです。

それも上だけで、下半身は魚だったのです。


キャッツ「わぁ!人魚!?」


サリー「は、初めて見た……」


海神『……人魚族のアナスタシアですね……こちらへいらっしゃい』


アナスタシアと呼ばれた人魚は宙を泳ぎながら、9人の前に来ました。


海神『アナスタシア、あなたはこの乙女たちにオーブを託すかどうかについて、最後まで反対を貫いていましたね……そして今も』


アナスタシアは押し黙っています。


ブラド「え?ほんなら、海の生き物の総意って、なんなんよ?」


ジャンヌ「総意で賛成、と、全会一致で賛成、とは別物ってことでしょ?」


ローズ「全会っていうより、全海だよね(笑)」


キャッツ「うま(笑)」


マリア「まぁ、反対意見があっても、いつかは決断しなくてはいけないのだから、結論が出たあともこういうことはあるわよね」


海神『そういうことです。もちろん反対派は彼女だけではありません。ですが過半数が賛成となったことで、反対派も成り行きを見守ることに納得してくれました。ただ一人、このアナスタシアを除いて……』


ローズ「あの、アナスタシア、さん?なにか、理由があるんですか?」


ローズの慎重な問いに、人魚は明確な悪意を持って、吐き捨てるように言いました。


アナスタシア「……知らない者は気楽でいいわね」


フィスト「へえ、いきなりケンカ売ってくるわね」


マリン「覚悟できてんでしょうね」


ローズ「こっわ(笑)」


リーフ「や、やめてよ!みんな!」


マリア「みんな扱いしちゃだめよ~、このふたりだけなんだから」


リーフ「見てるのやめて止めてよ!ってことよ!」


キャッツ「えらいわねー、リーフは」


アナスタシアは警戒の目で9人のやり取りを見つめています。

ジャンヌがアナスタシアに向かって、一歩進み出ました。


ジャンヌ「教えてくれないかしら?なぜそこまで反対するのか……あなたたちが知ってて、私たちが知らないままでは、なんの進展も得られないわ。そうでしょ?」


アナスタシア「…………」

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