第157話 海の総意
第157話 海の総意
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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キャッツ「こんなにあっさりもらえるのも怖いよね」
海神『怖い、とは?』
リーフ「えっと、私たち、今まで3つのオーブを託されてきました……でも、どこもあまり歓迎はされなかったというか、簡単にオーブを託してもらえたわけじゃないんです」
海神『そうですか……それは、大変な苦労をしてきましたね。まだお若いのに』
マリア「そ、そうですね……えっと、海神さまからは、私たちのこと、見えてます?こっちからは姿が見えなくて……」
海神『ええ、見えていますよ。でも残念ながら、私の姿をあなたたちには見せられないんです。ごめんなさい』
ローズ「信用されてないのかな?」
フィスト「私に聞かないでよ」
海神『見せないのではなく、見せられないのですよ……私には特定の姿形がありません。私は言うなれば、この海、そのものなのです』
サリー「海、そのもの……」
海神『周りを見てごらんなさい……』
9人が周りを、神殿に立ち並ぶ柱の奥の奥まで目を凝らすと、なにやら動く影がいくつも見えました。
目の良いリーフが気づきます。
リーフ「え?あれ、おさかな?」
動く影のいくつかが、9人に近づいてきました。
不思議な光景です。
魚たちが宙を泳いでいるのです。
ブラド「な、なんで?空気あるのに……」
海神『この神殿ははるか昔に、人間が建て、海底に沈めたと言い伝えられています。海を敬う人たちの心が、海と人、どちらも共存できる空間を作った……そして海の意志である私と、心を通わせることもできる。それがこの神殿です』
マリア「そうか、そうよね……神との対話のための場所が、神殿なのよね」
海神『ですから、オーブをあなたたちに託したいという意志は、この海に住む生き物たちの総意なのです』
マリン「海が、私たちを認めてくれてるってこと?」
ジャンヌ「なんかそれって、オーブ集めが順調に進むってこと以上に、嬉しいね」
海神『……私たちは、あなたたちにオーブを……この海の未来を託します……』
???「待ってください!」
声は頭に直接届くような、海神のものとは違いました。
口から発せられ、音になり、9人の耳に入って聞こえてきたのです。
9人は声が聞こえてきた方を見ました。
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