第148話 受け継がれるもの

第148話 受け継がれるもの

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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9人は再び、世界樹の前に来ました。

巨大な蛇が9人を迎えます。


ジャンヌ「えっと、ヌシさん、でいいのかな?」


ヌシ『ああ、今はまだ、な。間もなく戻るミイからの話を聞いて、その内容次第で、交代だ』


フィスト「あ、もう近くまで来てるんだ」


ヌシ『鳥たちが報告してくれている。そのようだ』


ローズ「よかったねー、元気にしてたかな」


マリン「たくましくなってたりしてね」


リーフ「あ!来たみたい」


森の一角がざわつき始めたので、みんなにもわかりました。

ミイが草むらから姿を現すと、すぐにその後ろから様々な動物たちが現れました。


マリア「ふふっ、みんな気になってついてきたみたいね」


キャッツ「ま、てことは大体答えわかっちゃうね」


サリー「そ、そうなの?」


ブラド「そりゃあ、気になって後ろからついてくるくらいやから、慕われてはいるんちゃう?」


ミイが日なたの一歩手前まで進み、言いました。


ミイ『戻りました。報告します。結果は……条件付き賛成が3割、賛成が4割、反対が3割、でした』


リーフ「え、なんか、ほんとにたくましくなってない?」


マリア「ええ、ほんと。すっかりたのもしくなっちゃって」


ヌシがミイの答えを聞き、少しの間黙り、口を開きました。


ヌシ『そうか……それで十分だ。これからお前がヌシとして成長することで、多くの動物たちがお前を支えてくれるだろう』


キャッツ「それじゃあ、これでヌシの交代?」


ヌシ『そうだ。ミイには、次なるヌシの証として、この大森林と世界樹の行く末を見守る、大切な瞳が譲られる』


サリー「ひとみ?」


ヌシが沈黙しました。

9人は言葉を発してはいけないような気がして、誰も話すことができませんでした。


そして唐突に、ヌシの両目が地に落ちたのです。

地に落ちたヌシの両目は深い緑の光をたたえていました。

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