第147話 次のヌシ

第147話 次のヌシ

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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ヌシ『では次のヌシを決めるわけだが』


キャッツ「あ、今それやるのね」


ブラド「まぁいいけどね」


マリア「次のヌシは、前任者が指名するんですか?」


ヌシ『ああ、それに加えて、森の住人の過半数の同意が必要だ。指名されたものは森中を回って、意見をもらわなければならない』


サリー「時間、かかりそう」


マリン「オーブ探しも、木を切るのも時間かかるから、ちょうどいいんじゃない?見届けられるかもよ」


ジャンヌ「そうかもね」


リーフ「次のヌシの候補はいるんですか?」


ヌシ『ああ、ひとりだけだがな』


フィスト「へー!そうなんだ」


ヌシ『蛇のミイだ』


9人の少女と、周りで見ていた動物たち、例外なく全員が驚きました。


ローズ「ほ、ほんとに?!」


ヌシ『あぁ……切り捨てられるものの気持ちを誰よりもわかる、ミイこそ次のヌシにふさわしい』


キャッツ「切り捨てた張本人が何言ってんのよ」


サリー「美談にする気なのかな……」


フィスト「こういうところが嫌われてたんじゃないの?」


マリア「ま、まあそれは親子の問題だから、別にいいとして……ミイ、いるんでしょ?」


マリアの声に呼ばれて、小さな白い蛇が姿を現しました。

と言っても、日差しの届かない木陰からは出ることができません。


ヌシがミイをまっすぐに見つめて、言います。


ヌシ『お前の父親を名乗る資格など私にはないが、ヌシとして、次のヌシにはお前を指名する。つつがなく、森の民の声を聞いて回りなさい』


ミイ『……はい』


ジャンヌ「それじゃ、私たちはしばらく、森の中でキャンプ生活ね」


9人の森の中での生活は1ヶ月で終わりました。

幸い、灰皮病はまだ大森林全体に広がっていませんでした。

ごく一部の範囲の木を切るだけで、終えることができました。


そして9人は再び、世界樹の前に来ました。

巨大な蛇が9人を迎えます。

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