第141話 守ってきたのは誰

第141話 守ってきたのは誰

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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ヌシ『オーブとやらはみつかったか?』


ジャンヌ「いいえ、それはもう少し時間がかかりそう」


ヌシ『じっくり探すといい。そう簡単には見つからんだろう……今までが順調すぎただけだ』


ブラド「まぁ、確かにそれはそうよね」


ローズ「まだお城出て1週間も経ってないもんね」


サリー「そっか、全部集めるのに、何年もかかるかもしれないんだ……」


キャッツ「それでね、ヌシさん。昨日は森の生き物たちにはすごーくお世話になったし、これから森で探し物するのに、やっぱり彼らには引き続き協力してもらいたいの」


ヌシ『彼らが拒まなければ、私が口を出す理由もない。好きにしろ』


マリア「ありがとうございます。でもそのためには、灰皮病の木をなんとかしないといけません。放っておいたら、生き物たちの住む場所がなくなってしまいます」


ヌシ『くだらん。昨日も言ったはずだ。そんなものでこの偉大な森が揺らぐことなどない』


リーフ「でも、実際に、木をねぐらにしてた生き物は居場所なくしてます」


ヌシ『この大森林が過ごした途方もなく長い時間の中で、そのような困難がなかったわけじゃない。そのたびに乗り越えてきた。今回も乗り越えられる』


マリン「何を根拠に言ってんのよ」


ヌシ『これまで乗り越えてこられたという揺るぎない事実を根拠に、だ。お前たちにはわからんだろうがな』


フィスト「今までが大丈夫だったから、今回も大丈夫ってわけ?」


ヌシ『それがこの森の大きさ、強さだ』


マリア「それは違うわ。あなたこそ何もわかっていない」


強く、ハッキリとした口調に、8人が驚いてマリアを見ます。

いつものマリアの話し方とは少し違っていたからです。


マリア「『今までが大丈夫だった』?それはそうでしょう。大丈夫だったのはこの世界樹と代々のヌシなんだから」


ヌシ『……何が言いたい』


マリア「困難を乗り越えて、森を守ってきたのは、ヌシでも世界樹でもないわ。この森に住む生き物たちみんなよ。困難のたびに、たくさんの命が失われてね。それなのに、ヌシであるあなたは、森の真ん中の世界樹でただ眺めている……まるで、私がいた教会だわ」


ジャンヌ「マリア……」


ヌシ『……お前はシスターだと言っていたな?』

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