第132話

第132話 ヌシの仕事

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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ヌシ『静かにしなさい』


キャッツ「ほら、怒られたじゃない」


フィスト「あたしが悪いの!?」


リーフ「ちょっと、ほんと静かにしよ。大事な話をしに来たんだから」


ブラド「年下のリーフに怒られてるー」


フィスト「あんただって騒いでたでしょ!」


ヌシ『ちょっとほんとだまれ食うぞお前』


フィスト「あ、はい。ごめんなさい」


ヌシ『この森に何の用だ』


ジャンヌ「えーと、そのですねー」


ジャンヌができるだけ巨大な蛇を直視しないようにしながら、この森に入ることになったいきさつを説明しました。


虹のカケラであるキューブに選ばれて、世界を回っていること。

ドワーフの里ではレッドオーブを、鳥人たちの住む空中都市ではブルーオーブを託されてきたこと。


ヌシ『なるほど、よくわかったよ。お前たちを最初に見つけた鳥たちの報告では、要領を得なかったものでな。人がたくさん落ちてきただの、死の木に触れて先が短いだの』


マリン「そう!それよ!それをなんとかしたいのよ!」


ヌシ『なんだと?』


サリー「あなたが死の木と呼んだものは、灰皮病という病気にかかった木です」


マリア「そして、その病気は、動物にうつるものではありません。当然、あなたの息子にも」


ヌシ『どういうことだ』


マリン「だからね!ミイ君の白い体は、森の木がかかってる病気とは関係ないの!」


ローズとサリーが灰皮病とアルビノについて詳しく説明しました。

すると、ヌシは一度虚空を見つめ、再び視線を9人に戻しました。


ヌシ『なるほど、よくわかった』


キャッツ「よかったー、わかってくれたのね」


ヌシ『我が森の民の一員が、死の呪いにかかっていないこと、そしてそれが森の中を動き回る動物にはうつらないことがわかったことは、歓迎すべきことだ。礼を言う』


ジャンヌ「そ、そう?よかったわ」


ヌシ『次に灰皮病についてだが』


ローズ「え?それだけ?」


マリア「あなたの息子の、ことですよ?」


ヌシ『この森の民のことだ』


ブラド「冷たすぎやん」


ヌシ『ヌシの務めはこの森を守ることだ……我が子だからと言って殊更に気にかけるべきではない』


サリー「だからって……」


リーフ「……わかりました。そういう姿勢が必要だということは、よくわかります」


ヌシ『次に、灰皮病についてだが……「なんとかしたい」と言ったな?先ほど』


マリン「あ、私?言ったわね」


ヌシ『思い上がるな』

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