第121話
第121話 スミクヌギの木
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ジャンヌ:騎士団長
フィスト:近衛兵長
サリー:魔法使い
マリン:海の冒険者
ブラド:吸血鬼の姫
ローズ:貴族令嬢
キャッツ:トレジャーハンター
マリア:シスター
リーフ:エルフ
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リーフ「鳥たちが…………私たちのこと……もう、長く生きられないって」
マリン「な、なによそれ?」
フィスト「ほんとに、そう言ったの?」
リーフ「う、うん。聞き間違いじゃない……何羽も、口をそろえて。もうみんな、行っちゃったけど」
森の中には動物の気配はなくなっていました。
キャッツ「縁起でもないわよ、まったく」
マリア「どういうことかしらねぇ」
ジャンヌ「考えるにしても、材料が少なすぎるわ」
ローズ「ねえ、リーフ、ほかには、なにか言ってなかった?」
リーフ「えっと……そうだ!『あの木に行ってもらうのはかわいそうだけど、仕方ない』って」
ジャンヌ「それって、私たちが着地場所を鳥たちに教えてもらったときのことよね」
リーフ「う、うん」
フィスト「この木が、なんだってのよ……」
リーフ「鳥たちは『スミクヌギの木』って言ってた」
ローズ「え?それ変だよ」
ジャンヌ「?どういうこと?」
ローズ「だって、スミクヌギって、こんな真っ白じゃないよ。墨みたいに真っ黒な木の幹だから、スミクヌギっていうのよ。図鑑に載ってた。それに、常緑樹だから、葉が散ったりしないのよ」
リーフ「そ、そんなこと言われても……」
ブラド「責めてない責めてない(笑)」
マリア「んー、でもローズがそんな記憶違いするわけないし……」
サリー「えっと、調べてみる?術で」
キャッツ「魔法使いって、そんなこともできるの?」
サリー「う、うん。生き物って、それぞれ波動があるから」
ブラド「まーあんまようわからんけどやってみて」
サリー「う、うん」
サリーは持っていた杖を木の幹にコツンと当てて、目をつぶりました。
サリー「ローズ、スミクヌギの生物分類、わかる?」
ローズ「え、えと……ブナ科、コナラ属」
サリー「……ありがと」
フィスト「すご(笑)」
サリー「…………うん、スミクヌギで間違いないみたい」
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