第121話

第121話 スミクヌギの木

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

**********


リーフ「鳥たちが…………私たちのこと……もう、長く生きられないって」


マリン「な、なによそれ?」


フィスト「ほんとに、そう言ったの?」


リーフ「う、うん。聞き間違いじゃない……何羽も、口をそろえて。もうみんな、行っちゃったけど」


森の中には動物の気配はなくなっていました。


キャッツ「縁起でもないわよ、まったく」


マリア「どういうことかしらねぇ」


ジャンヌ「考えるにしても、材料が少なすぎるわ」


ローズ「ねえ、リーフ、ほかには、なにか言ってなかった?」


リーフ「えっと……そうだ!『あの木に行ってもらうのはかわいそうだけど、仕方ない』って」


ジャンヌ「それって、私たちが着地場所を鳥たちに教えてもらったときのことよね」


リーフ「う、うん」


フィスト「この木が、なんだってのよ……」


リーフ「鳥たちは『スミクヌギの木』って言ってた」


ローズ「え?それ変だよ」


ジャンヌ「?どういうこと?」


ローズ「だって、スミクヌギって、こんな真っ白じゃないよ。墨みたいに真っ黒な木の幹だから、スミクヌギっていうのよ。図鑑に載ってた。それに、常緑樹だから、葉が散ったりしないのよ」


リーフ「そ、そんなこと言われても……」


ブラド「責めてない責めてない(笑)」


マリア「んー、でもローズがそんな記憶違いするわけないし……」


サリー「えっと、調べてみる?術で」


キャッツ「魔法使いって、そんなこともできるの?」


サリー「う、うん。生き物って、それぞれ波動があるから」


ブラド「まーあんまようわからんけどやってみて」


サリー「う、うん」


サリーは持っていた杖を木の幹にコツンと当てて、目をつぶりました。


サリー「ローズ、スミクヌギの生物分類、わかる?」


ローズ「え、えと……ブナ科、コナラ属」


サリー「……ありがと」


フィスト「すご(笑)」


サリー「…………うん、スミクヌギで間違いないみたい」

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