第108話

第108話 キャッツのやり方

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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キャッツは鞄の中からロープを取り出し、片方の端を結び輪を作り、鳥人族の国王に近づき、首にかけました。


ホーク「……なにを」


あまりの脈絡のない行動に、大臣も衛兵も、8人の仲間たちも、ただ眺めているしかできませんでした。


キャッツ「んふ❤」


キャッツは国王に微笑みかけると、ロープを持ったまま、走り出しました。

ロープはすぐにピンと張り、首にかけた輪が締まります。


ホーク「!?ングッ」


国王は引っ張られまいと、キャッツについていくように走り出しました。

キャッツは構わず、神殿の端から地上に向かって飛び降りたのです。


サリー「キャッツちゃん!?」


キャッツに続いて、国王も落ちて行きました。

ようやく大臣が、目の前で起きた事態を把握し、叫びました。


アウル「へ、陛下ぁぁぁぁぁ!!!」


フィスト「何してんのよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


ブラド「やば(笑)」


アウル「追えぇぇー!!」


2人の衛兵が大臣の命令に従いました。


神殿の中に、8人の少女と、年老いた鳥人ひとりが残されました。


ローズ「すごかったねー!ロープの扱い、慣れててかっこよかったー!さすがトレジャーハンター」


リーフ「え?い、いいの?ほっといて」


マリン「大丈夫だよ。キャッツの考えてることは、なんとなくわかるわ」


フィスト「そうなの?」


マリン「ドワーフの里まで連れていくのよ。無理矢理ね」


マリア「まぁ連れていくって言っても、実際に飛ぶのは国王様よね。キャッツは背中にでも乗せてもらうのかしら?無理矢理」


サリー「追いかけていった兵隊に、止められないかな?」


マリン「大丈夫よー国王といるんだもん。最高の人質じゃん」


ローズ「キャッツちゃん、飛び降りるとき、ダガー抜いてたよ(笑)」


マリン「やっぱりねー」


アウル「…………これは種族間の大問題に発展するぞ」


大臣の顔は怒りに染まっています。


ジャンヌ「気持ちはわかるけどね、あなたも望んでいたんじゃないの?」


アウル「…………どういう意味だ」

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