第106話

第106話 臆病な自尊心

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ジャンヌ:騎士団長

フィスト:近衛兵長

サリー:魔法使い

マリン:海の冒険者

ブラド:吸血鬼の姫

ローズ:貴族令嬢

キャッツ:トレジャーハンター

マリア:シスター

リーフ:エルフ

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キャッツ「あんたたちさ、鳥って言うより、チキンよね(笑)」


国王の顔から笑みが消えました。


アウル「貴様ッ!」


キャッツ「あら?ごめんなさいね、チキンって、鳥人族にはタブーだった?違うのよ~ほんとにニワトリだと思ってるわけじゃないのよ」


ブラド「めっちゃ煽るね(笑)」


マリン「あの大臣も無視するの忘れちゃってるしね」


リーフ「ねぇ、ジャンヌちゃん。チキンって?」


ローズ「そっか、リーフちゃんはお肉食べないから」


リーフ「?」


サリー「あの、私もわからない……鶏って意味は知ってるけど……それで、何で怒ってるの?」


ジャンヌ「えっとね、チキンって『鶏』とか『鶏肉』って意味なんだけど、人に向かって使うときは『腰抜け』とか『臆病者』とかって意味になるの」


リーフ「へー」


マリン「鳥人に鶏っていうのも皮肉がきいてるね」


サリー「そ!そんなこと言ったの!?あのプライドの塊みたいな人たちに?」


アウル大臣がサリーをにらみつけます。

サリーはあわてて自分の口を手で押えました。


ブラド「大臣どしたーん?無視はやめたん?」


アウル「……ッ」


フィスト「いいじゃん(笑)もっとやれ(笑)」


キャッツ「ちょっとー!あんたたち、やめてよ。こっちは煽るつもりなんかないのよ!」


ブラド「嘘つけ(笑)」


キャッツ「どうする?私もうちょっと言いたいことあるんだけど、聞く?最後まで聞く勇気ある?やめよっか?」


ホーク「いや、続けろ」


マリア「まぁ、そう言うしかないわよねぇ。チキンなんて煽られたら」


キャッツ「あんたたちさ、飛べるからって空の上の浮き島に引きこもっちゃってさー、それで高見の見物決め込むならまだマシよ?でも城も狙われるのが怖いからって、今度は何もない神殿に場所を移して、城が破壊されたら『はははー!私の思惑どおりだー』って……滑稽にもほどがあるわ』


キャッツの話を聞く国王は驚きと怒りで顔を真っ赤にさせています。

侮辱の言葉が自分へ向けられたことなどありませんでした。


キャッツ「自分の臆病さと向き合う勇気もないのよね。だから、他人を殊更に笑って、自分の自尊心に置き換えようとしてるのよ。あら?図星?顔赤いけど」


フィスト「辛辣ねー」


キャッツ「さっきあんたさ、私たちのこと『翼も持たない人間なんかに』って言ってたけど、私からしたら、あんたたちは翼を持ってるだけなのよ」

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