第78話

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第78話 ドワーフの里 その2


ドワーフの里は、人の住む街と大きな違いはありませんでした。

民家、商店、病院らしき看板を掲げた建物もありました。

ただ、そのどれもが、人の街のそれよりも、ひとまわり小さいのです。


9人はロックスの後ろを歩きます。


マリン「すごい、これ、橋?」


幅が20メートルはあろうかという巨大な橋です。


マリア「立派な橋ねぇ。こんなのも作れるのね、ドワーフは」


キャッツ「見て!下は溶岩の川だよ!」


ブラド「」ドン!


キャッツ「ちょっと!やめてよ!冗談じゃ済まないわよ!」


ブラド「ごめんごめん(笑)」


リーフ「ねえ、さっきから気になってるんだけど、あれなに?」


フィスト「ああ、トロッコ列車ね。坑道なんかでよく使われてるけど、せいぜい荷物の運搬用よ、普通は」


マリン「あんなに大きな客車をたくさんつけて、それでも線路があんなに高いところにある」


ジャンヌ「すごい技術力ね」


歩いていると、ロックスの仲間のドワーフが彼に「やぁ」だの「元気か?」だの、親しげに声をかけてきました。

そして決まってその言葉のあとに、9人の方を物珍しげにジロジロと見るのです。


マリンがロックスに話しかけます。


マリン「ねぇ、ドワーフ以外の種族って、そんなに珍しいの?」


ロックス「あぁ、ドワーフは自分らの縄張りからは出ないからな」


フィスト「でも、これじゃよそ者って言うより……」


たくさんのドワーフが遠巻きに9人を見ています。


マリア「見世物ね(笑)」


ジャンヌ「これじゃ珍獣扱いよ」


キャッツ「でもさ、みんなロックスみたいに乱暴な言葉でしゃべってこないよ?あんたが親切な方なんて嘘なんじゃないのー?」


ロックス「あんたらにはしゃべりかけて来ないだろ?関わりたくないんだよ。試しに誰かに話しかけてみるか?目も合わさず逃げられるだけだ……」


ローズ「それは、なぜなの?」


ロックス「……もうこりごりなんだよ。よそ者と関わるのは」


ブラド「なんかあったの?」


ロックス「……いつだってやった方は都合よく忘れて、やられた方は忘れられないもんさ」


???「ロックスよ。そうベラベラとしゃべるもんじゃない」


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