第70話

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第70話 飛び立って旅立つ


翌日、午前中いっぱいを使って9人は塔の頂上で、9人用のハングライダーを完成させました。

そして昼食を済ませたあと、9人は改めてハングライダーを全員で持ちます。


キャッツ「すごいねー、できるもんね」


フィスト「うん、ほんとにすごいわ」


ブラド「やるやんローズ」


ローズ「サリーのおかげだよー!火の術で溶接までしちゃうんだから」


マリン「リーフとマリアの裁縫術もすごかったよ」


マリア「孤児院も森も、物がたくさんあるわけじゃないから、慣れてるのかもね」


リーフ「うん!」


ジャンヌ「それじゃ行こうか。サリー、準備いい?」


サリー「うん、いつでも大丈夫」


マリン「それじゃあね、声のおじさん」


マリア「お世話になりました」


声は返事をしません。


キャッツ「なによー!愛想ないわね」


ジャンヌ「普通、ないんじゃない……?」


リーフ「それとも、最後の試練を伝えたら、消えちゃう存在とか……?」


ブラド「そうかなぁ、さみしいのをやせ我慢してるんじゃないの?」


『早く旅立て』


フィスト「あ、いた」


マリン「ねー!もういいの?行くよー」


ジャンヌ「よし!行こう!」


9人はサリーを真ん中に、横に並んでハングライダーの持ち手をつかみました。

ゆっくりと、塔のてっぺんの端に進みます。

遠くに、陸地が見えます。


ジャンヌ「あれね」


ローズ「ほんとに、これで大丈夫かな?」


マリア「大丈夫!うまくいくよ!」


フィスト「私とジャンヌが思いっきり地面蹴るからね」


ジャンヌ「フィジカル担当だからね、まかせて」


ブラド「めっちゃ勢いつくやん」


キャッツ「ほんじゃあ、しゅっぱーつ!」


9人が息を合わせて、少し後ろに戻り、助走をつけます。

サリーが術を唱え、浮遊石が光を放ちます。

塔の端まで進むと、ジャンヌとフィストが同時に地を蹴りました。


9人の少女が、塔から飛び立ちました。

世界をひとつにするために、7つのオーブを集める旅が始まったのです。


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