第41話~第45話

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第41話 第1回反省会

(全員)



城門前には大量の荷物が積み上げられています。


ジャンヌ「……まず最初に、どういう旅になるのか話し合わなかったことに問題があるし、それをしなかったことは謝るわ」


ブラド「ジャンヌが謝ることじゃないよ!」


ジャンヌ「いや、解散の合図を出したのは私よ」


キャッツ「そうかもしれないけどさー、どんな旅になるかもわからないんだから、話し合いなんてしても意味なかったかもよ」


マリア「私もそう思う。まずは次の町までたどり着けるようにして、着くまでにみんなで改善点を出し合えばいいと思う」


リーフ「それにしても、大荷物になったね」


サリー「みんなでお買い物したら、これだけになるんだね……」


マリン「お金のことを考えなくてよかった、っていうのがおっきいのかな」


キャッツ「でもさ、必要なさそうなものは、見当たらないよ」


ブラド「ローズのドレス以外はね」


ローズ「え?ダメかな?」


ジャンヌ「ダメっていうか、要らないでしょ?その新しい服、似合ってるんだし」


ローズ「ほんと!?ほんと?」チラッ


サリー「う、うん(笑)」


フィスト「なんにしても、みんなで手分けして運ぶってことよね」


ローズ「がんばろ!みんなで!」グッ


サリー「あの、私、荷物小さくできるよ……魔法で」




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第42話 特技・魔法

(全員)



フィスト「サリー!ほんと?」


サリー「う、うん……そんなに難しい術じゃないから、今すぐやってよければ、やるけど」


キャッツ「へー!見たい!やってみて」


ジャンヌ「サリー、お願い」


サリー「う、うん。じゃあ、全部私のカバンに入れるね……йЖΞюΔФυΣд§Й¶δ……υюυΣд§Й¶……δυΞю」


マリア「す、すごい、全部ちっちゃくなって、カバンの中に吸い込まれてく……」


サリー「…………ふぅ、終わったよ」


ブラド「すごいね!サリー!」


マリン「ほんと、これがなかったら、リーフに子分の動物たちを呼んでもらって運ばせるとこだったね」


リーフ「こ、子分じゃないのよ、動物は……ともだちなの」


フィスト「熊とか呼んでくれたら頼もしいよねー」


マリア「襲われたりしないかな?」


マリン「大丈夫よー!リーフのともだちなんだから」


キャッツ「乗れるんじゃないの?」


ローズ「えー!乗りたーい!」


サリー「わ、私も、乗ってみたい」


ジャンヌ「ちょっと!いっぺんに乗れないんだから、順番よ」


リーフ「乗り物でもないの……ともだちなの」




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第43話 夕食後の寝室

(全員)



ガチャ


リーフ「わー!全員分のベッドがある!」


ジャンヌ「明日になったら、この9人で出発か」


マリア「ジャンヌとフィストはお城にもともと住んでたんだし、上の階級だから、個室があるんでしょ?この大部屋でよかったの?」


フィスト「んー、もうみんな集まっちゃったからさ……今さら自分だけ部屋で寝るのも、チームワーク乱すでしょ?」


ブラド「さみしいんでしょ?」


フィスト「うっさい!」


マリン「あー、こんなふかふかベッド久しぶり……つか陸地で寝るのが久しぶりだ……」


ローズ「すごいねー!マリンちゃんの話たくさん聞きたいなー」


キャッツ「ちょっと!私だっていろいろ行ってるのよ!興味持ってよ!」


ローズ「うん……ほんとだよね……」


サリー「?どうしたの?」


ローズ「…………」


サリー「……だ、大丈夫?」


ブラド「?どうしたの?」


フィスト「キャッツがいじめたんでしょー?」


キャッツ「わたしちゃうでー!」


ジャンヌ「今そういうのやめなよ」


キャッツ「ごめんごめん(笑)」


ローズ「ち、ちがうの、誰も悪くなくて……その、私みたいなのが選ばれて、いいのかなって……」


マリア「いいもなにも、みんな理由なんてないでしょ?」


ローズ「……ううん、みんな、ちゃんと理由あるよ。ジャンヌちゃんとフィストは、戦っても強い、この国を守る人だし、ブラドとリーフは、吸血鬼とエルフ、世界をひとつにするには、いろんな種族が入ってないと、多分ダメ。キャッツとマリンは、広い世界を知ってる……サリーの魔法も、マリアの生活力も、この旅には不可欠…………私だけ、なにもないの」




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第44話 意外な一面

(全員)



マリン「な、なんか、意外ね……」


ブラド「うん、すごいちゃんと考えてるっていうか、なんていうのかな?」


マリア「頭いいよね」


サリー「そう!それ!思った!」


ローズ「え?」


ジャンヌ「いやほんと、誰もそこまで考えてなかったよ。確かに、能力、経験、種族、いろんなのがそろってるね」


キャッツ「なんていうか、『世界をひとつにする』ことができる9人が選ばれてるんじゃないの?」


リーフ「キャッツちゃんそれ!すごい!そうだよ!」


フィスト「だからさ、ローズも理由があって選ばれたんだと思うよ。自信持って!」


マリン「そうそう、貴族ってだけで選ばれるわけないもんね」


ローズ「え?違うの?だって私、貴族だよ?」


フィスト「いやその自信はいらない」




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第45話 旅立ちに備えて

(全員)



キャッツ「ま、とりあえずさ、みんな必要なんだよね」


マリア「うん、そういうことだと思う」


マリン「もう寝ようよー」


サリー「そうだね、いろいろあって、疲れちゃった」


ローズ「ごめんね、急に変なこと言って」


ジャンヌ「あ、ちょっと待って。その前に、みんなで決めたいことがある」


ブラド「なに?」


フィスト「ルールでしょ?今日はじめて会ったんだから、いろいろ決めとかないとね」


ジャンヌ「そう。で、もちろんみんなのためのルールだから、みんなで決めたい。だから今この場ですべてのルールを決めない方がいいんだけど、今これだけは、私から提案したい。『助けてほしいときは助けてほしいと伝えること』」


ブラド「ジャンヌちゃんらしいね」


キャッツ「さんせー!」


マリア「すてき」


リーフ「ありがとう、ジャンヌちゃん」


マリン「ぐぅ」


翌朝、9人は城門の前に集まりました。


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