第3話新たな冒険者
朝早く目覚めて、昨日のことを思い出す。
異世界通販を開くと、【食べ物】を検索。
食べ物の本やグルメ本などが出ている。
お!このお菓子みたいな物は食べられそうだ。
【おからクッキー・食物繊維が豊富・3種類の味(オレンジ、ココア、プレーン) 】2480円を選んだ。
注文を確定すると、又も箱が出てきた。
そして透明な袋が3袋で、黒っぽいクッキーの袋をナイフで開け。
1つ食べるとこれも美味しい。
次から次と食べてしまい、喉が渇き口の中がカラカラ。
ボックスからリアル〇ールドを取り出し、ゴクゴクとガブ飲みしてしまう。
もう1本取り出し、今度は味わいながら飲む。
「やっぱりこのリアル〇ールドは旨い。体中から元気が湧き出してくる」
俺は元気一杯に宿屋を飛び出して、町の外まで飛び出していた。
そして知らない間に、14体のブラックウルフに囲まれていた。
1体が俺に飛びつくが、元気な俺はかわしながらナイフで首すじを斬っていた。
両サイドから来るブラックウルフに、回転しながら1体は両目を斬り、もう1体は回転をずらし胴体を斬る。
後ろから来たブラックウルフには、回転を利用して頭の側面へナイフを突き刺した。
そのナイフを引き抜きサイドへ跳ね、俺がいた場所に飛び付いたブラックウルフの胴体を下から斬り裂いた。
残ったブラックウルフは一斉に林に向かって逃げ出してゆく。
まだ元気な俺は追いかけたいが、魔石を取る方を選んだ。
何体かは、息の根を止める。
異世界通販に1個の魔石が吸い込まれ、5万円が追加されたことに喜んだ。
合計25万円が加算された。
ブラックウルフの肉は臭く固いので売れない。
売るなら毛皮だ。
ナイフでブラックウルフの毛皮をはいでゆく。
途中、レベルアップしてないか確認すると、レベル5に成っていた。
トニー
レベル5
HP50
MP50
力 5 生命力4
知力 5 防御力3
器用さ4 素早さ5
恩恵
異世界通販
あのブラックウルフを単独で戦う為ならレベル10は必要。
しかし、あの時の俺はレベル2だった。
普通なら考えられない。
考えられる答えは、リアル〇ールドしか考えられない。
リアル〇ールドを取り出し、腰袋に入れて何時でも飲める様にする。
それにナイフの切れ味も問題だ。
ブラックウルフの体毛は、普通の刃物も中々切れない物で有名。
それを簡単に斬っていたナイフにも驚愕してしまう。
異世界のナイフだからなのか?そんなに斬れる物だろうか?
実際に斬ったのだから疑問の余地もない。
そして5体のブラックウルフの毛皮をはいだ。
ワゴンを取り出し、毛皮を載せて町に向かって出発。
防具店に入って行き、レザーアーマーやバックラーが陳列されて物々しく感じる。
「すいません。ブラックウルフの毛皮を持ってきたのですが、買ってくれますか?」
「どれどれ見せてみろ」
カウンターに1枚1枚載せ5枚の毛皮を載せた。
それを1枚1枚、入念に調べる店主。
「成る程、無駄な傷も無いし全部で10000ギーだ」
10000ギーを貰い、店を出る。
そして冒険者ギルドにやって来た。
嫌な思いでもあるが、異世界通販の為だ。
ドアを開けて入って突き当たりの窓口へゆく。
今は冒険者の殆んどがダンジョンか討伐依頼に出かけている。
なのでサニーしか居ない。
「あらトニー、久し振りね」
「どうも、今日はクズ魔石の買取依頼を頼みにきました。1個50ギーで買い取ります」
「あのトニーが、誰かに頼まれたの」
「色々あって言えません。10000ギーを持って来ました」
袋をカウンターに置くと、サニーは数えだした。
「確認したわ、これが依頼契約書。4日後に来てくれる」
「分かりました」
依頼契約書を大事に受け取り、冒険者ギルドを出て行こうとするが依頼掲示板の前で立ち止まる。
依頼掲示板にブラックウルフの討伐依頼が有ったからだ。
依頼内容はブラックウルフの胆のう10個で成功報酬は100000ギー。
俺はその依頼書を取って窓口に提出。
「この依頼を受けたい」
「トニー、大丈夫なの失敗すれば、10000ギーの違約金が発生するのよ」
「構わない。お願いするサニーさん」
「失敗しても責任は持てないよ、本当にいいのね」
「ブラックウルフを倒した経験が有る」
「え!倒したの・・・分かった」
依頼書に今日の日付が書かれサニーのサインも書かれた。
それとは別の帳簿にサニーが書いて終了。
「今日から5日後までに持って来る事。胆のうが傷んでも駄目分かった。今はラニー池付近で目撃情報が上がっているそうよ」
「分かった。それで胆のうは何処にありますか?」
「胆のうは魔石の横にあるハズ」
「あれが胆のうだったのか?」
2年前に失敗して、薬草の採取で1ヶ月間。死に物狂いに働き違約金を返した。
簡単な討伐依頼だったが俺には荷が重たかった。
しかし今度は違う。
俺には異世界通販があるのだから今度は失敗しない。
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