第11話

 次の日から、問診のほかに能力開発訓練が追加された。

 発現した能力の幅を拡張するらしい。といっても大掛かりなものではなく、大小様々なサイコロを床に書かれたいくつもの円の中の一つに移動させるというものだ。どちらも大きいので狙いやすいが、それでもやはり正確な場所を指定しての転送は難しかった。

 さらに能力を使えば体力も消耗することが判明した。飛んだり走ったりと激しい運動をしているわけではないのに、一時間も訓練を続ければぐったりしてしまう。そうなってしまえば他のことは手につかなかった。

 そして、もう一つ別の問題が発生した。他ならないユウキ自身の問題だった。

 慣れない環境な上に完全に閉鎖的な空間なせいか、ユウキは気が滅入ってしまった。

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