第16話 盗聴器2

多分今すごい顔してる。

分かる。

だって、心臓バックバク言ってる。

周りの音が聞こえないくらい自分の心臓の音が脳内に聞こえてくる。


「ダン!!」


ノバレンが抑えていた手を離して直ぐに抱えて部屋を出て行った。


「ベル!?ちょっと、心の準備くらいさせてよ!」


『相手を待たせるのは、余計に不安を大きくさせるようなものだ。』


「でも、もしかしたら外してたかもしれないじゃん!」


『そうだな。でも、外さなかったんだ。それでいいだろう。』


「そうだけどさぁ!」


ベルが振り下ろしたナイフは見事にダンの項の盗聴器に当たっていた。

間違いなくあれは壊れた。


「次からは出てくる前に一言言って!?じゃなきゃ私の心臓が止まっちゃう!」


『はいはい。それより、早くラミアートの部屋にいけ。ダンとノバレンはそこにいるはずだ。』


私はため息をついて走ってラミアートの部屋へ向かった。


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