第11話 本当の犯人

綺麗な花畑の中で遊び回っている子供が3人。


あれは、ベルリア?


あぁ、子供の頃もなんて可愛らしくてカッコイイのかしら。

惚れてまうやろ!

いや、もう既に惚れてるから、

惚れ直すやろ!

が正解か?


キャッキャウフフを永遠に見てようと地面に手を着いた瞬間、景色は一気に変わり、視界いっぱいに暗い水が広がった。

私はその中に立っていた。

驚いて辺りを見渡すと後ろから気配がした。


『この場所は相変わらず何も無いな。』


「ベルリア!」


『悪いな。起きてるお前に話しかけるのは少し疲れる。』


「それは全然いいけど。」


『そうか、ありがたい。では、話そうか。』


ベルリアは物語について、今はどんな状況なのか、私にわかりやすく話してくれた。


「じゃあベルリアは誰が毒を盛ったかも、なんでそんなことしたかも知ってたんだね。」


『もちろんだ。夫のことは全て把握している。』


ベルリアは少し悲しそうにそう言った。


その時、感情が流れ込んできて私も悲しくなった。


『すまん。感情を共有していたな。』


「大丈夫。」


『…ダンの事だが、あの子は私を殺そうとする子じゃない。すごく優しい子だ。命の重みを1番わかっている。だからだろうな。ある者がダンの兄弟を人質に取っている。お前にはまずその犯人を捕まえて欲しい。私の魂の回収は後回しだ。』


ベルリアの感情が今度は怒りに変わった。


表情こそそのままだが、内心はダンにそんなことさせた真犯人が憎くて仕方ないんだ。


「犯人って誰?」


『コール・ディアンベルだ。』


「なんか聞いたことある気が…」


『ミリアの兄だ。』


「それだ!…って主人公の兄!?」


『そうだ。』


「なんで!?」


『コール・ディアンベルは奴隷商人と繋がっている。私がダンを買った時恐らく…いや、断言できない。まずはダンに真実を聞き出せ。そこで言質が取れたら、乗り込むぞ。』


「わ、分かった!」


私が勢いよく返事をするとベルリアは笑って返してくれた。

そのあと少し経って、ベルリアは落ち着いたのかその場に腰を下ろした。


私も横に腰を下ろすと私のところだけ波紋が広がった。


そしてベルリアは私を真剣な顔で見つめて一言こういった。


『お前、顔は悪くないよな。だが、ちと身体が…』


「誰がちっぱいじゃこら。」


急にぶっ込むなぁ。

確かにベルリアは胸は大きい。でも、今する話だったかな!?

私はベルリアの意図が分からず困惑した。




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