第8話 可愛い2人の夫

それぞれが賑やかに食事をしてる中、数人の夫は私から離れなかった。


特に、


「ベル、ほんとに、ほんとによがぁっだぁああああ!!」


「泣くなシュフェル。」


この人…っていうか、この子?の方が正しいであろう。男の子は私に抱きついて全く離れない。


見た目10歳くらいの男の子。

でもべルリアの記憶では確か20歳だった気が…。


てかべルリアって今…23歳?

元の私と一緒じゃん…


それよりも。


「シュフェル、ご飯が食べづらいんだが。」


シュッフェルはいつの間にか私の膝の上に座って私の首元に顔を埋めて未だに泣いていた。


「フェル、降りろ。ベルが困ってる。」


「嫌だね!」


「フェル!!」


「なんだよ!自分が乗れないからって僕に当たらないでよ!ダンもベルにお願いすればいいじゃん!」


「なっ、別に乗れないから当たってるわけじゃない!!」


「じゃあなんでそんなにムキになって怒るんだよ!ベルも別に降りろって言わないし、いーじゃん!」


まだ15歳の夫ダンに怒られたシュフェルは涙を流しながら必死に言い返していた。


ダンの身長はまだ小さいから、2人の言い合いが小さい子の喧嘩を見てるみたいで少し和む。


他の夫達もその様子をニコニコして見ていた。

日常なのだろう。


私は、立って怒っていたダンの手を取り、私の膝に座らせた。


「これでいいか?」


「べっベル!俺は本当に座りたかったわけじゃないから!!」


「そうか、じゃあ私が2人を膝に座らせたかったんだ。私の頼み聞いてくれるよな?」


顔を真っ赤にして立とうとしていたダンのお腹に腕を回し、そう言うとダンは黙って私の膝の上に収まった。


右にはシュフェル。左にはダン。2人の小さくて可愛い夫が私の膝に座っている。


周りから見たら私はただのショタコンだろう。


これはある意味いいかもしれない。


と、少し変な扉を開きかけた私だった。

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