第2話 転生してしまいました
『早く目を覚ませ。皆が待っている。』
誰かの声が聞こえる。誰だろう。
てかイケボ?なんか、女性っぽい声質だけどカッコイイ。あは。ずっと聞いてたい。
「………どこ、ここ。」
目を覚ますと見知らぬ高い、それはそれは高くて紅い天井が…いや、目に悪っ!
開眼一番にこの色はちょっと…
私はゆっくり手を着いて上半身を起こす。
ふわっ
手を着いた場所がいつものベッドとは比べ物にならないくらいふわふわで触り心地が良い。
「え、お母さんいつの間にベッド変え゛っ!?」
横を向いた時大きな鏡の中の人物と目があった。
「待って待って待って!!え!?ベルリア…だ。」
鏡の中には、公式が1度だけ公開したビジュアル絵の中に居た大好きなあの、ベルリアの顔が。
私は飛び上がり鏡に近づく。
いや思ったより鏡デカイな。
それよりも!
「カッコイイ…。」
艶を持った漆黒の長い髪が動く度に綺麗に靡く。
パサパサで荒れまくってた私の髪とは大違いだ。
しばらく眺めていたら急に我に戻った。
「って私がベルリア!?」
自分が動くのに合わせてベルリアも動く。
それはつまり自分がベルリアということで…
「夢なら覚め…ないで欲しいけど、さすがにこれは夢…じゃない!?」
私は思いっきり覚めるな!と思いながら頬を抓った。
痛かった。
どうやら私は悪役皇帝のベルリアに転生してしまったみたいです。
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