第1266話 検問所の苦労

「うぅ……」


 一晩中搾り取られ続けた俺は、干からびているのではないだろうか? ゆっくり休むための時間の夜が、一睡もできずに快楽に溺れたものになってしまった。


 妻たちは順番を決めて代わる代わる俺といたしていたので、ヤル事もヤッてぐっすりと眠っているのでみんなツヤツヤだったよ。俺一人だけ干からびてる。


 そしてチビ神から強制的に付与された【性欲増大(妻限定】スキルは、効果絶大だったな。スキルがあって愛情があっても、一晩中元気な状態の息子は無理だと思っていたが、全然余裕でした。


 その内俺って、ベッドに磔にされて妻たちに一日中搾り取られたりしないよな? 今でも回数が少ないって不満が出てる位だし、ここに来て年長組だけじゃなく年中組も参戦してきたわけで、さらに回数が……スキルがあっても、さすがに毎日はキツイDEATH!


 本当に死んじゃうかもしれない。異世界に来て、レベルを上げて最強に近い肉体を改造で手に入れて、不老なのに死因がヤリ過ぎ、どっかの都市伝説じゃないんだから!


 眠気に襲われながら、一晩中搾り取られたタンパク質を補うためなのか、いつもの倍は朝食を食べていた。これでもシュリには及ばないんだけどな。


 その様子を見ていたシルキーは、俺の体を心配しており異常がないか調べ出した位だ。


 普通はどこかおかしくなっているとか思うよな? 食事量がいきなり倍に増えたんだからな。だけど、魔法で調べてもスキルで調べてもマップ先生で調べても、一切異常は見つからなかった。


 悩み始めたシルキーに、恥ずかしいが昨日の事を説明する。


 シルキーもオークレディの話は聞いており、スキルによって男の一物を戦闘態勢にさせ搾り取っているという話を知っていたので、神から付けられたスキルならなんでもありか? と考えたようだ。


 あ~眠たい。今日は雨だから木陰でお昼寝とはいかないな。部屋に戻って寝るか? 昼くらいまで寝てから……


 って、魔導無線に何やら連絡が入ってきた。呼び出し音が鳴っているので、出てみると、


『シュウ様、今お時間よろしいですか? 少し相談したい事がありまして、よろしければ庁舎の方へ来ていただけないでしょうか?』


 との事だった。特にする事も無く、ただただ眠いだけなので庁舎に出向く事にした。雨なので歩いていくのはさすがに、馬車を準備してもらい乗り込む。お供はいつもの聖獣3匹だ。あ、ニコも来るみたいだ。


 それにしても、結構降ってるな。スコールみたいにザンザン降りなのだが、こんなに雨が降った事なんてあったっけな? 稀に見る大雨だな。家畜エリアは大丈夫だと思うけど、畑エリア大丈夫だろうか? 湖エリアの方は、水位とか大丈夫かな?


 こんな状況だから相談したいのかな?


 庁舎に到着して自分の執務室に入ると、グリエルとガリア、ゼニスが揃っていた……ゼニス? 何でお前さんがいるんだい?


「シュウ様、わざわざありがとうございます。早速ですが相談したい事をお話ししてもいいですか?」


「おーけー、内容はこの雨についてか?」


「それもあるのですが本命は、ゴーストタウンの検問所から業務改善のお願いが度々上がってきていまして、人を増やしてみたり色々試行錯誤しているのですが、なかなか支持を得られませんのです。何かいい案がないかと思いシュウ様にお話をという事です」


 検問所、ゴーストタウンには人が多くやってくるから、他の街より大変だという事でかなりの人数が割り振られているはずなのだが、それでも業務改善をして欲しいってお願いが出る位大変なのか?


「検問所の職員に聞き取りをしてみた所、仕事自体は問題ないのです。ただ1点、街に入る人への説明がもっと何とかならないのか? という訴えが多いのです。人を増やしても、結局の所は説明する人が変わるだけですし、絵や写真、パンフレット等を使い説明はしているのですが、なかなか理解してもらえないのです」


 理解力の乏しさか? 言葉が読めないとか? いや違うな。言葉が読めてても理解できていない奴なんて五万といるわな。頭は良いのにバカなタイプとかな。


 理解できないのは、説明の仕方の所為か? でもそれだけじゃないよな?


「どんな人たちに理解してもらいにくいとか、傾向があったりするか分かるか?」


「そうですね。商人やある程度経験を積んだ冒険者は、よく理解してくれているのですが、駆け出しの冒険者やマナーの悪い冒険者、貴族等にはなかなか理解してもらえないですね。それですぐにトラブルを起こして、検問所の職員にクレームが入る、と言った感じでしょうか?」


「移住希望で来ている人たちは、そう言う事ないのか?」


「そういう人は、理解ができてなくても問題は基本的に起こしませんね。それに分からない場合、追加講習を受けて理解できるまで頑張りますからね。移住したいのに問題を起こして、奴隷になったり放り出されるのは、本人からすれば望む所では無いですからね」


「なるほど、その通りだな。マナーの悪い冒険者や貴族は大体どんなトラブルか想像ができるけど、駆け出し冒険者はどんなトラブルを起こすんだ?」


「ちょっとお待ちください。えっと、そういった冒険者は、自分を大きく見せようとして脅しに近いような事をするそうです」


 意味が分からん。冒険者だから舐められたらよくないというのは分からなくも無いが、トラブルになるような大事になる程やるもんなのかね?


「言葉での説明で実感できないのであれば、映像を使って、簡単に犯罪や迷惑行為に対する罰則を分かりやすくするとかかな? 実感できれば、多少は抑止力になるかな? 完全に犯罪をなくすことはかなり困難だからな、この位しか思いつかん」


「映像を使ってですか?」


 あまりピンと来ていないらしい。なので、DPでそれらしい資料を取り寄せる。その映像を見せながら、たとえ話として、強姦した男はホモークの所へ連れていかれ、掘られる寸前までの映像を作り、その後ブラックアウトさせて『アーーーッ』の声を流して想像させるとかどうかと話してみた。


「声を吹き込んで文字も付ければ、いちいち職員が説明する必要もなくなりますね。これなら映像を流して、しっかり聞いているか監視しているだけでいいですので、人手に余裕が出そうですね」


 どうやらお気に召したようで、3人は色々話し合い始めた。


 この執務室には仮眠室も併設されているので、グリエルたちに「聞きたい事があったら起こして」と伝えて寝る事にした。ニコを抱き枕にしようかと思ったら、いつの間にかいなくなっていまよでダマを抱き枕にして眠りについた。

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