第29話 娘たちは可愛い
「さて飯と自己紹介も終わったから、次はみんなお風呂に入ってこ~い。年長のみんなは下の娘たちの面倒も看てやってくれよ。ミドリ、一応風呂の場所は教えたけどこの娘達を案内してお風呂の使い方教えてやってくれ。
レイリーも部屋に案内してやってくれ。レイリーの部屋には風呂をつけるからそこを使ってくれ、と言ってもその部屋は男の奴隷部屋になる予定だからよろしくな」
「ラジャであります」
ミドリは敬礼をして、娘たちを先導していく。
「さて、あの娘たちの服どうするか?」
「そうね、しばらくはDPで安物の服与えといて、その間に考えたらいいんじゃない?」
「そうだな、カエデの言う通りにするか。戦闘奴隷かメイドとして一人前になったら、きちんとした服をプレゼントするか」
「一応、プレゼントする前に私に相談してね。シュウに任せるととんでもない物を渡すかもしれないからチェックだよ」
「ん? そんなに間違ってるもの渡そうとしてるか?」
「初めに奴隷に一人一部屋与えようとしてたでしょう?」
「なんにしても、プレゼントに関してはカエデの意見も聞きたいと思ってたからいっか。とりあえず、あの娘たちに着せるのはこんな感じでいいか?」
この世界の服は見た感じ生地がボロいのに軒並み10DP、1万フランを超えているようで、地球の安物でも探そうかと異世界のタブの方を開いて、生地のしっかりした紺色の長袖ロングスカートのワンピースを指さしてカエデに聞いてみる。
「へ~異世界の服って安いのね、2DPってことは2000フランで新品が買えるんだね。生地の値段がそのくらいになるから中古でもないと、服はそこまで安くならないわね。みた感じかなりしっかりしてない?」
「この家で着ている分には問題ないんじゃないかな? 安いわけだしね。この世界の服を1枚買うと、地球の物なら5枚は買えるわけだし。後、下着も買わないとな。一番安いスポーツショーツが3枚で1DP、スポーツブラが2枚1DPってとこか」
召喚リストを見ながら悩む。
「とりあえず、ワンピース・ショーツ・ブラを6枚ずつで1人分にするかな。おしゃれっぽく腰にリボンベルトみたいな服を買うか? やっぱり可愛い子には可愛い恰好をしてもらいたいもんな! 3DPで良さそうなのがあるからこれにしよう。これで一人頭ちょうど20DPか、こんなもんだろう」
「シュウ? 下着はわかるんだけど、ショーツとかブラってなに?」
「え? 知らないのか? ショーツはいわゆるパンツでブラは、胸を形よくととのえる下着っていえばいいのかな?」
「パンツはわかったけど、ブラってのはあの娘たちに必要なものなの? 着る服にそれだけの物を与えるだけで、かなり好待遇なのは分かってる?」
「何となく分かってるけど、ブラは譲れない! しっかりと着けてもらう必要があるんだ。俺の精神衛生上つけてもらわないと困るんだよ」
「ん? なんでブラつけると精神衛生上よくなるの?」
「そんなの決まってるだろ、童貞の俺に胸のふくらみの上のぽっちが見えてる状態は困るんだよ」
「胸のふくらみのぽっち? あ~ちk「いわせねえよ!」痛いってば! 放してよ!」
「あえて言葉にしなかったことを言葉にするなよ。まぁそういうことだからブラは譲れない。カエデに何と言われようが、断固として意見を変えるつもりはないからな」
「ふ~ん、まあいいわ、そのブラとショーツって着心地っていいの?」
「多分いいと思うよ。カエデもつけてみるか? さすがに娘たちと同じのはあれだから、少しいい物出してみるか。鍛冶仕事もするし汗に強いっていえばいいのか? 熱にも強そうなやつ出してみるか」
「シュウ、ありがと」
ブラとショーツを出してやると、その場で脱ぎ始めたのでアイアンクローをきめてから風呂場へ運んでいく。
食堂に戻って、片付けをしていたスカーレットに声をかける。娘たちに合わせて召喚した服と下着を渡して、お風呂の使い方を教えているミドリ以外のシルキーたちに運んでもらう。シルキーたちは戻ってきた後、食堂の片付けの続きを始めた。
食堂でのんびりしていると、アマレロが紅茶を入れてきてくれた。俺が紅茶が好きだということを召喚された時の知識で知っていたため、ティーポットとそれなりの品質の茶葉を召喚して淹れてくれたようだ。ミルクも用意してくれており非の打ちどころがなかった。
お風呂に入っているカエデと娘たち、レイリーのために冷えたミルクティーを用意するようアマレロに頼んでおく。
「レイリーの服準備してなかったな。ボクサーパンツにティーシャツ、執事風にしたいから……ワイシャツとそれっぽいスラックスにベルトとベストでいいかな? 全部で35DPか、まぁこんなもんだろう。コバルト、これレイリーのとこに持っていって」
「了解であります」
シルキーたちは「~であります」っていうのがはやりなのだろうか? ふよふよ飛んでいくコバルトを見ながらそんなことを考えていた。
紅茶の香りと味を楽しんでいると、お風呂から上がって食堂に娘たちが戻ってきた。
元から可愛いかったが、きれいな服とお風呂に入ったせいか前より明らかに可愛さがアップしていた。うん、ブラつけさせてなかったらきっと俺の息子がテントが張るところだったな、俺の判断グッジョブ!
「みんな、おかえり。飲み物を用意してるから席について。服は気に入ってもらえたかな?」
娘たちは個々に「こんないい服着たの初めて!」「ブラとショーツ? これってぴったりしてるけどすごく着心地いいよね!」「私これからどうなるんだろ」「夢でもみてるのかな?」喜んでいる娘、混乱してる娘、現実逃避している娘。色々な反応が見て取れた。
「しばらくは、渡した服を着て生活するように。洗濯もしっかりしてね。飲み物も出てきたことだし飲んでいいよ。俺が好きな飲み物で、ミルクティーっていう飲み物だ」
初めて飲んだ娘たちは、笑顔で冷たいミルクティーを味わっていた。今まで飲んだことない味の上に、ほのかに甘い飲み物にびっくりしているようだ。
「喜んでもらえてよかったよ。この後、戦闘訓練をしてもらおうと思ったんだけど、知識のないままに体だけ動かせるようになっても意味がないので、冒険者としての知識と職業というか立ち位置についての勉強をしてもらおうと思います」
一息ついて、
「俺も冒険者になる前に、しっかり冒険者ギルドで勉強してからクエスト始めてるからね。みんなに冒険者ギルドで講義に出てもらうには、少し問題があるかもしれないので、俺がメモってきた資料を元にみんなに教えていくからよろしくね。みんなは文字って読み書きできるのかな?」
異世界召喚ものでは、貴族や大商人の子息以外は読み書きできない人が多いって相場が決まってるからな。案の定、読み書きできる娘は5人だった。22人中5人は多いのか少ないのか分からないが、これは文字の読み書きの勉強もしていかないといけないな。
そういえば、ギルドの講義で絵を多く使っていたのは、読み書きができない人が多いから、それに合わせた教え方だったのだろう。
「文字の方は、読み書きできる娘ができない娘たちに教えてあげてくれ。今から始めるのは、文字が読めなくても大丈夫なように絵を使って説明とかしてくから、分からない事があったらどんどん聞いてくれ。
迷惑とか考えないでどんどん聞いてほしい、分からないまま放置したら周りの娘に迷惑がかかると思ってほしい。俺の冒険者仲間候補を探すためのものだけど、それと同時にみんな同士も冒険者仲間、メイド仲間として生活するわけだからその辺を理解してくれ」
「「「「「わかりました」」」」」
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