一無庵風流記

北斗の拳で誰が好きかといえば俺は多分レイあたりだと思う。

思うというのは、あまりに魅力的なキャラクターが多すぎて決められず、時期によって選択が異なるからである。昔はサウザーだった。南斗鳳凰拳の理念が実にいい。


「敵はすべて下郎!」


う~ん一度は言ったみたいセリフだ。今度クライアントから電話かかってきたら言ってみようかな。クビ確だろうけど。


そんな北斗の拳なんだけれども、一定の人気を博すキャラクターが二人いる。

ジャギとかハート様とかを入れるともっと増えるんだろうけど、この二人みたいなのは半ばネタキャラなので外す。しゃあない。


二人のうち一人はラオウ。言わずもがなのボス。出て当然、入って当然の人気ぶり。個人的にはあんまり好きじゃないんだけどね。わがままな子供っぽくて。


で、もう一人なんだけど、こっちが本題。

ジュウザというキャラクターが、少なくとも俺の周りでは確実に推しで入ってくる。


このキャラクター、自由を愛し束縛を最も嫌うみたいな人物像で女にモテるし女好き。イケイケ系の人は多分好きになる感じだと思う。現に知り合いのイケイケ系の人は絶対ジュウザが好きって言ってた。みんなも確認してみてほしい。


ジュウザは同じく作者が後に書いた花の慶次の主人公、前田慶次郎の性格に大きく影響を与えているような気がする。傾奇なら傾奇通せとかいって自分の我を曲げない人間性はまんまジュウザな感じがある。


でも、ご存じの通り前田慶次郎は史実の人物。本当にこんなキャラしてたのぉ? と、疑問に思うところも多々あるけれど、実は文献などがあまり残っていないため不明な点が多いんだって。そら脚色もされるよね。

とはいっても花の慶次は原作を基にした作品であり、まんま好き勝手描いたというわけでもない。その原作が一夢庵風流記である。



今回、粗筋は省く。

というか書く事がない。この作品は前田慶次郎こと前田利益の傾奇エピソードを小説的に書いたもので、これといった筋道があるもんでもない。それでもあえて書くとしたら、傾奇者珍日記とでもいおうか。道理の通じない主人公をかっこよく書いた作品が本作である。とにかく主人公が暴れまわってカッコよく締める。そんな作品。娯楽として丁度よく、なんとなくじめっとした気分に読むと爽快感があっていいかもしれない。


ただ、個人的に中盤から「慶次郎すげぇ! かっけぇ!」ってのをフィーチャーし過ぎてマンネリ気味になるんだよね。途中までは気にならないんだけど、途中、急にそういうのがくる。俺は特定のキャラクターが一方的に美化されるのって好きじゃないから余計気になるのかもしれない。それこそラオウとかそんな感じよね。


まぁ面白い事はたしかだから、興味のある人は是非。


ちなみに半島出兵編は漫画じゃ琉球編に置き換わって能力バトルが展開されるよ。まるで北斗の拳の修羅の国編後半のようだった。やるならちゃんとやれよ! と、思ったのは俺だけじゃないはずだけど、慣れれると、あれはあれで。ってなるから不思議だ。


なんだか北斗の拳の紹介みたいになってしまったな……


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