クリスマス・キャロル
シングルベルとか性夜とかキリスト教徒が聞いたらトミーガンぶっ放しそうなワードを平気で口にする我々日本人であるが、これは古来より続くイベント大好きな楽天的DNAにより「茶化しておもろくしたろ!」という精神が働いているからのように思う。労働より行事。何かあったら仕事なんてほっぽり出して全力で楽しむ。それが日本人の気質ではないだろうか。
そもそも日本人が勤勉だなんてのは幻想のような気がしてならない。真面目は真面目だとは思うが、労働については中国人とかドイツ人の方が余程シビアに考えていると思う。あとアッパークラスのアメリカ人ね。ステイツのガチなビジネスパーソンはクリスマスでもゲットバックせずタスクにイマースするらしいからアンビリーバブル。ブレンパワードの英語版声優はジョナサンの境遇に嗚咽を漏らしたというが、彼らもファミリーを蔑ろにするダディやマミィ連中にはベリーアンガーで、リアルなチルドレン達にアガベ的ハレルヤが届いてほしいと思っている事だろう。ディケンズ著、クリスマスキャロルも、そんな気持ちにさせる作品である。
場所はエゲレス時は産業革命真っ盛り。あらゆる物事を金勘定で判断するクズのスクルージは、雇用していボブに対しなにかと理由をつけて減給を命じる極悪守銭奴冷血漢。ホスピタリティもコンプライもあったもんじゃないド外道な人間である。
そんなスクルージがなんやかんやで人生を見つめ直すのが話の本筋となっていて、まぁ王道というか、ベタな展開を見せて幕を閉じる。この手の作品においては殊更露悪的な結末を迎えるというのも変な話なので、変に捻るよりはそっちの方がいい。素直で読ませる内容だし、基礎教養として嗜んでもいいとは思う。
ただ俺、クリスマスってずっと縁がなかったからあんまり入り込めないんだよなぁ。子供の頃はチキンとケーキ食べて、朝起きたらプレゼントがあってと、ごく普通な、幸せな日を過ごしていたんだけど、中学はそんな大した事もしてなかったし、高校時代は部活の遠征だったし、大学時代はバイトだったし、社会人になってからは仕事だったし……
やめよう。悲しくなる。
ま、そこそこ読めるから、知識として入れておきたいって人は読んでもいいかもしれん。ぶっちゃけ映画観とけばいいんじゃないかと思わなくもないけれど。
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