神の契約
バブみ道日丿宮組
お題:茶色い殺人犯 制限時間:15分
神の契約
神の契約によって人の運命は決まってる。
悪人、正義のヒーロー、政治家、教師、仙人など。あらゆるものが産まれた瞬間ーー契約として身体に印をつけられる。それは本人しかわからず、相手には印は見えても何を意味するかはわからない。
その人はたとえその役割をしたくなくても、そうしなければ自壊する。
契約は自分。自分を否定すれば、当然消える。
自然の摂理、弱肉強食の世界と同じだ。
神に反し、実際に消えた人は10カ国以上にも及ぶ。
誰もがしたいことをしたい。したくないことをしたくないと自然と抱いてしまうから。
人は人である限り、この運命を変えられない。
だから、僕は友達を殺し続ける。
僕は殺人犯でならなくてはならない。
制服に付着した血が赤から黒へ変色に変色し、もう制服は純白の色を持っていない。スカートですら、紺色が茶色に変わってしまったように見える。
「……ごめんね」
友達は私から逃げる、土まみれに転がって校庭を転がり続ける。
でも、逃げることなんてできない。
僕に殺される運命の人物が契約者として何人いるのか。あるいは別の契約が友達にあるのかわからない。
でも、僕が僕であるには殺人犯という契約をし続けなければいけない。
友達の契約はわからない。
わからないまま殺すしかない。
ーー最初の殺人は、母親だった。
産まれた時に母親は死んだ。そして父親も赤ん坊の時事故にあって死んだ。
僕の近くにいると強制的に発動するのが契約なのだろう。叔父も、叔母も気づけばいなくなってた。いや無感情に刺し殺していたのかもしれない。
母親も、父親も僕を恨んでるのだろうか。
契約内容は誰も口にしない。それは自分自身をさらけ出して壊してしまうから。
「……痛くしないから」
悲鳴が聞こえた。
何度も聞こえた。
でも、なくなった。
頭を貫くナイフの感触はもう手慣れてしまった。
どこに入れ込めば脳に到達するのか、心臓に刺さるのか。契約から情報が入ってくる。
あぁ、生きるのって面倒くさい。
全て殺せば終わるのかな。
神の契約 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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