世界戦争
バブみ道日丿宮組
お題:初めてのぬくもり 制限時間:15分
世界戦争
戦争が激化してもはや国家というものはなくなった。大地全てが死地と呼んでもいい。その時代に僕らは産まれた。
育ててくれた人が子ども時代の頃はインターネットとか、3chとかフェイクニュースなどの話題があって平和だったらしい。
その平和がハッキングからはじまり、各国のミサイル発射によって全世界が敵に。もちろんミサイルがない国は敵じゃないと発表を続けたけれど、ハッカーがその国の人間と特定できないから敵とみなされ最初の戦争はそうやってはじまった。
そこからはほんとうにひどいものしかみえなかったって。かつての友だちが産まれた国が違うからと強制送還されたり、情報取引の材料にされたりと人権なんてなかったんだって。
でも、その人は言ってた。
『人間様なんて人がいたからこうなった』と。
誰も偉くない。総理大臣などは代表なだけで、ただの人間。意見をきちんといえない野党、国民が悪い。そしてフェイクニュースしか流さない報道陣が全てを破壊したって。
『なるようになる。なるようにしかならない』
時間は平等じゃない。
その人の子どもとして私たちは育った。親の温もりは知らない。
産んだ親は死んだのかあるいは、生産装置のように産まされたのか。
誰も理由がない。誰もが兄弟、姉妹。家族。
だから、家族のためにぬくもりをなくすわけにいかなかった。
『終戦はありえない。種が滅びるまでかな』
その言葉を最後に育ててくれた人は、木っ端微塵に吹き飛んだ。
私たち子どもがもらったというプレゼントをきちんと処理してくれた。
「……」
「隊長、そろそろ新しい子供たちが来ます。お願いします」
「わかってます」
私も子どもだけど、生きてくには引き継ぐしかない。
新らたにきた小さな子どもたち一人ひとりに抱擁をする。
「ここが新しい家族の家だよ」
はじめてのぬくもりを与えて、名前を与える。
そして私がきたときに教えてくれてもらったことを教室に移動し教えてく。
私は片足がもう失ってしまったから、新しい仲間を家族にすることしか尽くせない。あの人のように私も立派にお勤めをこなして絶対というのをなくしたいんだ
『終戦はいつかくる。だから、死んじゃダメ』
甘いのかな。
その甘さがこの足をなくしたのかな。
「はい、正解者にはこのチョコレート」
子どもたちは嬉しそうに銃器の扱い、ナイフの扱い方、言葉を覚えてく。
最初の終わりが数十年前にあったんだ。
なら、きっと今回だって終わることができるはずなんだ……。
世界戦争 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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