僕らの島

バブみ道日丿宮組

お題:部屋とYシャツと潮風 制限時間:15分

僕らの島

 海の家が我が家になったのはつい最近。

「あっついなぁ」

「そうだね」

 何もすることがない。

 彼女が所有する島で暮らそうと言い出して、こうやって人里離れた島に暮らすことになったのだが、やることはなく彼女とぐうたら過ごすばかりだ。

「ねーねー、執事さん子どもが今度産まれるのよ!」

 うきうきした表情を見せる彼女は自分のことのよう。この島にきたのは何百にも及ぶ、執事たち(医者、薬剤師等様々な知識があるものたち)だ。

 当然島には彼らの住む家もあって、買い出しなども彼らが行い家族で引っ越してきたものたちもいる。

 巻き込むのはよくないと僕はいったのだが、何でも小さい頃から見守ってきたとか、家族当然に育ってきた姉妹や兄弟のようなものだとむしろ彼ら達が立候補してきたとのことだ。

「そりゃいいな。僕らより先に産まれるのだから盛大に祝ってあげないとな」

「うんうん」

 そんな執事たちは今になっては僕も家族。

 さすがに僕の親や親戚は許可証がないとこの島にはこれないが、寂しくはない。今はテレビ電話もあるし、こちらから幾分には自家用飛行機で戻れる。

 よっぽどのことがない限り戻る必要はない。

 優秀な家族が僕らを守ってくれてるし、癒やしてもくれる。

「しかし、誰もいないからって素肌にYシャツはよくないぞ?」

「だって暑いんだから仕方ないよーーもしかして?」

 彼女は僕のとある部分を凝視する。

「仕方ないだろ、男というのはそういうものだって君が教えてくれたんじゃないか」

「そうだったね。こんな私でも愛してくれるなんてほんとあなたって素敵」

 潮風にのって彼女のほのかないい匂い。オレンジのようなものが僕の全身を撫でた。

「したいならしてもいいのよ? 執事たちはノックしてくるし空気も読めるわ」

「空気読めるって、それバレてるよね?」

 ある意味聞き耳を立てられてる気がして……むしろ萎えそう。

「あまり激しいことはしちゃいけないしさ」

「するつもりだったんだ?」

 ふふんとどこか自慢げに身体のラインをみせつける。

 そのせいでうっすらと見えてたボディラインがしっかりとYシャツにぽつんと浮かぶ。

「降参するから、せめて下着ぐらいきてくれ」

 仕方ないなぁと彼女は部屋に戻ってた。

「そうだ、最近おもしろいゲームが執事たちの中で流行ってるのよ、やってみない?」

 あぁと振り返ると、産まれた姿の彼女が、

「えっち」

「ち、違う……」

 違わないけど、違うんだ。

 

 ボクタチハコノアトゲームヲスッゴクタノシンダ

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僕らの島 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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