おりてきたもの

バブみ道日丿宮組

お題:秋の天国 制限時間:15分

おりてきたもの

 秋といえば、自然がガラリと変わる時期。

 私の恋愛感だけは全く変わらない。

「……お風呂に連れ込みたいなぁ」

 でもね、二次元キャラは一緒に入れないんだ。

 ……女の子同士ならそもそも断れるはずないし、子どもでも犯罪じゃないはず?

「はぁ……」

 裸の付き合いができるのは温泉。

 こないだの修学旅行は良かった。

 リスみたいな可愛い娘はやっぱり裸でも可愛かったし、熊みたいにムキムキのスポーツウーマンも傷跡も含めてワイルドで良かった。清楚で綺麗な黒髪ロングの娘も良かった。ほどよい大きさでいい臀部。楽しかったなぁ……私は……うん平坦でどの属性にも入らない。

 入るとすればガチユリ属性に入るのかな?

 でも、でも男の子が嫌いなわけじゃない。むしろそういう経験もしたいといえば嘘じゃない。

 ただ二次元キャラ……しかも小さい子で、特にサンマ咥えてるこの娘が可愛いんだよね。こないだパワーアップして余計に愛着感がわいたんだ。

「ふふふ」

 ディスプレイをなぞってみても……やっぱり感触がないのが寂しい。

 修学旅行ではクラスメイトを触りまくって、みんなにドン引きされちゃったけど、温もりは大事だよ。ボディタッチは挨拶よ、挨拶。キスも挨拶になってる国があるしね!

「VR系のゲームはリアル系になるからあまりよくないなぁ」

 私はあくまでも二次元……イラストの娘が触りたい。

 リアル系になったら……でもきっと好きになっちゃうんだろうな。

 こないだのVR体験会は面白かったな。お漏らし体験、出産体験、交通事故体験とリアルに起こりそうなことを体験できたし、ここまでくると……きっと私の願いも叶いそうな気がする。

「独りでぶつぶつ言ってて相変わらずなのね」

「悪い? 迷惑かけてないよね?」

「そうね、天国に行けなかったあたしがあなたの中に入ったのは運がなかったとしかいえない」

「第二の人生だって思って楽しんでよ」

 部屋に聞こえるのは私の声だけ。

 そう……私はこの秋、変化が1つだけあった。

 交通事故のVR体験をしたら、なんととある少女と人生を共に生きることになったのだ。記憶が無いらしいから、勝手にモミジって名前を秋っぽいのでつけちゃったけど、気にいってもらえてる。

 私が好きなキャラってのもあったんだけど、そこはバレてない。

「第二の人生か。記憶があればそういうこともあるかもしれない」

「身体は好きな時に貸してあげるんだから、気にしなくてもいいんだよ」

 しばしの無言の後、

「そうね、あなたの成績が落ちない程度に勉強しておいてあげるわ」

「ほんと? ありがとね」

「いや、あなたも少しはやるのよ」

 わかってるというと、モミジは静かになった。

 夜遅いから眠ってしまったのかもしれない。

 もう一人の自分。


 誰かと一緒になるとは、人生ってほんと不思議だね。

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おりてきたもの バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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