惰力行き引力疲労行き引力
思考は前へと傾けど、肉体は後ろへと引きずられる。引きずってくる縄は内に潜むサボローくん。
だが引きずってくるだけ良いじゃないか。
目の前にいる彼はブラック企業で働くAさんだ。内にサボローくんがいるのに、前に引っ張られすぎたせいで人生を棒にふっている。
前に引っぱっているのはなんなんだろうね。
マジメくんだからか、責任感からか、第三者が要因なのか。
彼らは休めない。休めていない。
思考は後ろに傾いているのに、肉体は前へと引きずられる。
サボローくんはいつだってブレーキにすぎない。自転車や、スキーや、バイクのように、怖くなったら減速させるための存在なのだ。あるいは戻りたくなったら少し止まって引き返すためのブレーキ。
ブレーキが効くうちは思う存分傾き続ければ良い。マイケルジャクソンレベルに。
だがブレーキの作用を見誤ってはいけない。いつだってブレーキには限界速度がある。それ以上の速度をこえてしまったとき、ブレーキは効かない壊れる吹き飛ばされる。
だがときに他人がくれるサボローくんもある。
そのサボローくんはどうでもいいこともあるが、どうしようもなく外れた列車の線路を直す働きもある。
どうか自分を労って。
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