飽きの先の欲求
一人暮らしに慣れて他人との繋がりを求める寂しい大学生が世の中にいるように、私は多人数の生活に慣れ一人暮らしを求める。
寮に暮らしていると、心底静かな場所が欲しいと思ってしまう。自分が望んで寮にきたくせに、そう思う。
周りに友人がいて最高じゃないかと思うかもしれない、だが単純に考えてほしい。寮生活なんて味が無限に続くガムのような、修学旅行を超がつくほど引き伸ばしたような、いわゆるエンドレスなのだ。
当然人間には飽きがある。特に私は酒のように飽きが回るのがはやい。途中で水が欲しくなるのだ。
だが集団生活が基本の寮には一人でいる空間などシャワー室くらい。シャワー室に使わずこもっていられるわけもなく、私はしぶしぶおやつを貰えなかった犬のように寝床にこもるのだ。
私は一人暮らしをしたことがない。だからこそ憧れる。
一人暮らしの人間は集団生活が恋しくなる。だから憧れる。
わがままで、ないものねだりがいつまで経っても終わらない。それこそエンドレスに。
だがそのないものねだりや、わがままがないと、人間は誰かに作られて指示されるのを待つロボットに成り下がる。
欲のない人生なんてつまらないを通り越して中が腐った木の幹だ。だからみんなももう少し、強欲なくらいで生きていこう。でなければ君は今日から中が錆びたロボットになるのだから。
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