複雑怪奇な道程
普段何気なく登校する道には、いくつか分かれ道がある。その先に何があるのか分からないというのに、私はそんな道を通ってしまいたい衝動によく襲われる。
この先にはなにがあるんだろう。
この先にはお宝があるかもしれない。
見たことがない景色を見たい。
分からないものは怖い。通りたくない。
一歩間違えれば戻れなくなるかもしれない。
ただの道だというのに、ただ知らないだけだというのに、一つの道に感情は鍋に入れられた具材のようにグチャグチャと混ぜられる。
そして結局、臆病な私は行かない。
道に限らず、一歩足が出そうな時私は自分の行動を何かに置き換える。
もしこれが就職なら、悪徳な企業に騙されて入社し、干し柿になるまで使われるかもしれない。
私は道に背を向けおとなしく学校に向かう。
だが忘れないで欲しい。学校に向かう道もまた道なのだ。その道が正しいとは限らない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます