第2話

「ん…。なんか重い…。」

朝起きて異変に気づいた。

布団から出ようと思うと布団がいつもよりも重いのだ。

まだ疲れてるのかな…。最初はそう思ったが、実は違っていた。

「おはよ!ひーちゃん!」

なんと、美月ちゃんが布団の上に乗っていたのだ。

「えっ!?美月ちゃん!?何でここに!?」

「ちょっとねー☆あっ結衣ちゃんとか由花ちゃんもいるよ?一階に。」

「何?なんかあるの?」

「えーっ!忘れちゃったの~!?今日h…!?」

美月ちゃんが何を言おうとしたのかはわからないが…。

今日は……。とか言おうとしてたのは分かった。

「?」

「んんっ。なんでもない。でも一階にこればわかるって!」

そう言って美月ちゃんは私の腕を引っ張る。

「ちょっ、ちょっと待って!まだ着替えてない!」

私は、美月ちゃんにそう言って止めようとする。

「あっ!ほんとだ、ゴメン!じゃあ二分くらい待つから着替えて。」

「りょーかい!」



「わぁ!ひーちゃんの私服かわいい~!」

美月ちゃんは目を輝かせ私の服を見ている。

「そ、そうかな///」

「羨まし~。でも、その耳と尻尾の方も可愛いと思うよ!」

「あっ……。ごめん。嬉しくなるとつい……。」

私の尻尾が休みなく揺れている。

「いやいや。そういうのもひーちゃんぽくていいと思うよ?じゃあ、着替え終わったんだし、行こっ!」

「う、うん。」

『何があるんだろ…。ちょっとワクワクしてきちゃった。』

「どうしたの?もしかしてワクワクしてきちゃった感じ?」

「なんでもないぃぃ!気にしないでぇ~!」



「いったい何があるって……。」

「「「「「「「誕生日おめでとう~!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆」」」」」」」

「えっ…。」

そう。今日は私の誕生日だったのだ。

自分で自分に言うのもあれだが……。

すんませんでした。

「今日は陽葵の誕生日だろ?夜まで盛り上がろうぜ。後、これ。陽葵がずっとほしいって言ってた「犬のマグカップ」。買ってきたぞ。」

嬉しくなった私は、虎太朗に抱きつく。

「うおっ!」

「ありがとう。虎太朗。」

「……。」

虎太朗が私の頭を撫でる。

すぐにわかった。虎太朗が撫でているって。

「おいっ!なにやってんだ!はい。陽葵がほしいって言っていた、「狐の筆箱」だぞ。」

また嬉しくなった私は亮太に抱きつく。

「亮太。ありがとう♪」

「もう…。二人とも、陽葵の本当の気持ちわかってないなぁ。はい。どうぞ。」

「「ハァ!?僕(俺)は、陽葵の気持ちをちゃんと分かってるに決まってるだろ!?」」

「これを見てもそう言える?」

「月夜。大好き♥」

知らない間に私は月夜に抱きついていた。

こんなところを結衣ちゃんとか由花ちゃん、美月ちゃんに見られたらぁ…。

じーーーーっ|д゚)

あっ…。もう見られてました。

「!?何をあげたんだ!?」

「プレゼント?これだよ。「ペンキんのかわいいぬいぐるみ」陽葵とボクでお揃いにしてるんだぁー。」

そう。私は小さいときから、ペンギンが好きだったのだ。

好きなものくれる人なら信頼できるよねーっ!

「月夜ならひーちゃん。って呼んでもいいよ。」

「ありがとう。でも、陽葵って言う名前の方が可愛いから何時も通り呼んでもいい?」

「(キュン💘)……いいよ。」

「ひーちゃん!このクッキー誰が作ったの~?」

美月ちゃんがクッキーのことについて聞いてきた。

「あっ!亮太だよ!こう見えても、料理上手なんだ。」

「えーっ!亮太君すっごーい!このクッキーのレシピ教えてほしいくらい美味しい!」

「陽葵以外にほめられても別に嬉しくねぇーよ。後、そのクッキーは陽葵のために作ったんだよ。他のやつに食べてもらう為に作ったんじゃねえ。」

「えーっ?もしかしてひーちゃんのこと好きなの~?」

「うるせぇな。俺に話しかけてくるんじゃねぇ。」

「……ムッ( ̄ヘ ̄メ)」

「ちょっと亮太!女の子には優しく対応するもんでしょ!?」

「陽葵。すまん。」

「美月ちゃん、ごめんね?うちの男子はこう言うところがあるから。」

「いよいよ~。気にしないで~!私、あーいう男子も好きなんだーっ!」

「よかったぁ!亮太っ♪」

「…?どうした?」

「クッキー焼いてくれてありがとう!はいこれ。」

「なんだ?これは。」

「ハート型クッキーだよ!私の手作りだから、安心してね!」

「……。」

「!?」

えっ!?ちょっと亮太さん。突然のハグはやめてください。

もしかして、このままキスしちゃうとかやめてね?マジで。

次こそ死ぬかも知れないから。

「ありがとう。愛してる。」

そのまま亮太は私の顔にキスをした。

「あっ……。」

はい。立派にフラグ回収しましたー。

お疲れ様でした~!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

パタンッと私は、床に倒れた。

「おいっ!お前!陽葵になにしたんだよ!」

「えっ?俺はキスしただけだけど…。はっ!」

「陽葵はキスに弱いって昔から言ってただろっ!」

「何?亮太がやっちゃったの?」

「やっちゃったっぽいんだよ。」

「……。とりま30分ねかせてみよーっ!」

「「ノリ軽いな!」」



んん…。はっ!

私は何をしていたっけ……。確か、私の誕生日会をしていて……。

「目覚めたか。待ってたんだぞ。陽葵。」

私の前で虎太朗はそう言う。

「虎太朗。何で私ここにいるの?」

「……💧」

「て言うか何で亮太は地味に震えてるの?」

「(ギクッ)Σ(゚∀゚)」

「おはよう。陽葵。」

月夜が駆け寄って来て、私をを抱き締める。

「てか、そんなことしてていいのか?あいつらが作ったチョコケーキ溶けるぞ。」

「「(ギクッ)急いで持ってきまーす!」」

「クスッ。」

「どうした?」

「いや、なんでもない。あの二人、似てるなぁって思ってさ。」



「お待たせ~!チョコケーキ持ってきたよー!」

美月ちゃんが大きなチョコケーキを持ってくる。

「今日のメインだよー!」

「包丁で切っていくよー!」

私がそう言って包丁をかまえたとたん。

コンコンという、ドアをノックする音が聞こえた。

「誰だ?こんなときに。」

「ごめん!遅れてしまったのだーっ!」

「あっ。琴乃ちゃんじゃん。どしたの?」

「今日がひーちゃんの誕生日だということをすっかり忘れていたのだーっ!」

私の誕生日を忘れて慌ててやってきたこの子は八月一日琴乃ちゃん。

吸血コウモリの一族らしいが……。

「ここの席空いてるから座っていいよ。」

「ありがとうなのだ!ケーキを一緒に食べさせてもらうのだ!」



「美味しかった~」

「美味しかったのだ~」

「てかこいつ誰だよ。」

と、虎太朗が私に聞いてくる。

「こいつとは失礼な。まぁ自己紹介を忘れていたのだ。仕方ない。

初めまして!私は八月一日琴乃というのだ。こう見えても、吸血コウモリの一族なのだ!よろしくなのだ!」

「吸血っ!?」

「どしたの?」

何を聞いてビビっているのかは知らないが、

何故か虎太朗が震えている。琴乃ちゃんのどこが怖いのだろうか。

もしかしてっ!吸血とか?あり得るかもっ!

「ん?もしかしてだが、私のことを怖いなんて思ってないだろうな?」

琴乃ちゃんが虎太朗のことを、

「今すぐ血を吸ってしまってもいいのだぞ?」的な目をして見ている。

これは虎太朗からすれば怖いだろうなw

「思ってねーよ!!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

「絶対ビビってるじゃん。」



「ひーちゃん!何時(いつ)もの“アレ”ほしいのだ!」

「いいよ。怪我したところだけど、大丈夫?」

「ありがとうなのだっ!」

「……。なぁ、それ大丈夫なのか?」

虎太朗が震えながら聞いてくる。もちろん声も震えている。

「あぁ、琴乃ちゃんが血を吸ってること?大丈夫だって!これは五歳位からずっとやってるから。」

「最高なのだ~!」

「琴ちゃん見っけ~!」

月夜が琴乃とゃんの近くまで走ってくる。

「なんなのだ、少しゆっくりさせてほs…!?ちょっと口元はつかまないでほしいのだ!」

「……八重歯。可愛い。」

「はわわわわぁ…」

琴乃ちゃんが顔を赤くしている。

「はっ恥ずかしいのだっ!」

琴乃ちゃんが急いで顔を隠す。

琴乃ちゃんは、こういう恥ずかしがりやなところが一番かわいいのだ。

「ジュース持ってくるね~♪」

私がそう言ってジュースをとってこようとすると……

クラッ、として、私はその場に倒れてしまった。

「あっ……。こんなときに貧血が……。」

「ん?あっ!?陽葵っ!?どうした!?」

「んあ?貧血?あ、もしかして、ちょっと血をもらいすぎちゃったかもぉ☆テヘッ☆」

「テヘッ☆じゃねぇよ!!!」



後書き。

オオカミ娘の陽葵ちゃん。第二話どうでしたか~!( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

亮太がひーちゃんの顔にキスするシーン。マジでやばかったよね!

自分的にはお気に入りのシーンだなぁ~~~♪

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じゃあまたお会いしましょう。

バイバイ。

オオカミ娘の陽葵ちゃん。 二話 END

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