9-21【地球という世界】+世界設定3
◇地球という世界◇
地球の日本と言う国で、多くの転生者が生まれた。
天命を
多くの日本人がそうであるが……二人、特別な選別をされた日本人がいた。
寿命ではなく、殺害という方法で天命を失った二人は……【女神アイズレーン】によって選ばれた。
理由は、ターゲットの目の前にいたからという……邪魔者扱いされての事だった。
自己中心的な行動に命を奪われ、
【女神アイズレーン】はその青年に……全ての
しかし運がいいのか悪いのか、
そのおかげで、
二人は同じ人物に殺害されている。
ただ通行の邪魔だった……それだけで殺された
本来の目的である男性の殺害は叶わなくなった。
だから余計に、邪魔だった男……
追い打ちを掛けてやろうと、近くの大学病院や遺体が安置されそうなところを探し、夜には辿り着いた。
そしてそこで監察医として働いていたのが、
自暴自棄なのか、それとも悪意に満ちた本能なのか……しかし遺体安置所に辿り着いた
刃物を持っている。更に直前にも一人の女性を殺害している事から、刑事たちは既に拳銃を構えていた。
しかし意に介さず、
死の直前、
そうして無理矢理、異世界に旅立ったのだ。
神の御業である転生術ではなく、自らの意思で……その身勝手な復讐心を持って。
◇
「……」
何を見せられたのだろう。
今の光景は、この世界ではない別のものだった。それだけは分かる。
そして、命を失ったその二人は……現在膝枕にて眠る二人の少年少女だと、その光景を見せられた張本人、アイシアは悟った。
「……」
殺されて、ここにいる。
だから二人は、村の皆がそうならないように守ってくれるんだと思った。
人一倍命の重さを知っているからこそ、その
家族、友人、恋人、関わりのない人でさえ、命を賭して戦い、傷付き、そうしながらも必死になって助けてくれる二人。
「二人は知り合いだったんだね」
全てではないが、アイシアが
学友である二人は、大人になって再会する……監察医とご遺体という形で。
そして同じ犯人に殺害され、今世で姉弟として生まれ変わったのだ。
「……あたしも手伝えるのかな」
二人の髪を撫でながら、アイシアは思う。
女神の代替品である自分が、この二人の力になれるのか……と。
「――いやぁ~すっごいな、日本ってのは!!」
「!!……え?」
アイシアが
目慣れない黒髪の、清々しいほどの満面の笑みを浮かべて。
――――――――――――――――――――――――――――
【澪から始まる】世界設定3。
【異世界レドゥーム・アギラーセ】。
地球によく似た惑星であり、多種多様な種族が存在する異世界である。
魔力などの不思議な力があり、魔物が存在しているファンタジーな世界。
この世界の成り立ちは数千年前、とある国の王が、異なる世界から他種族を招いたことで種族が大幅に増えて、共存するようになったからだ。
エルフ、獣人、精霊、天使(天族)に悪魔(魔族)、果ては魔王まで。その中には日本人もいたとか。
元のこの世界には、人間族しか存在していない。
長い年月と、各々の努力と研鑽の成果が、この多種族が共存する異世界なのだから。
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