8-77【反撃の狼煙2】
◇反撃の
目の前には、この村には似合わない現代風の建造物が。
しかし……周囲には誰もいない、見られてはないって事だな。
「マジで一瞬だな……これなら【
『――【
つまり、自分よりも魔力の高い人物と共に移動する事が出来ないという事か。
こっちの魔力が持たない。
「じゃあ、複数人だとその分、俺がその人たちの魔力を払う……店で支払いをゴチるって事だな?」
分かりやすく言えば……と思ったんだが、前世の俺にそんな経験はなかった。悲しい。
「しかもリディオルフのやつ、結構な回数【
『そうですね。しかもオリジナリティ溢れる派生まで……もしかしたら、才能があったのかも知れません』
だが逆を言えば、あいつは俺が肩を掴んだ時【
そう思えば、俺の方が上だし。
「フンッ……!」
鼻で笑いながら、俺はアイズの家へ向けて歩く。
才能か……心が
悪に染まるなら、それなりの覚悟が必要だ……悪人の美学、それが奴には無かった。ダークヒーローには成れないって事だな。
「……誰もいないな……おーい」
見る限り、家の中が足跡だらけだ。土と泥で汚れている。
「まるで荒らしだな。おいアイズ、マジでここにみんなが居んのか?」
『――【女神アイズレーン】はもうウィズの中に居ません』
ズルッと、肩を滑らせる。
肝心な時に居なくなるなぁもう!
「だけどまぁ、反応はあるな。下か」
『そのようです。生体反応が……密集しすぎていて計算不能ですが、大きさ的に考えれば二百と言った所でしょうか』
二百人が地下に?
そんな広さを確保する必要があるなら、もっと昔に俺に言えよアイズ。
「二百人くらいなら、少し前の村の人口だな。ってことは、最近村に越してきた人たちはいないのか……?」
【ステラダ】からの移住民。
農業を学びにやって来た人たちがいたはずだけど、昔から住む村人の倍以上の数がいる。
『【女神アイズレーン】の話によりますと、仲違いをしたそうです。王国軍が自分たちを襲うはずがないと』
「……馬鹿だな。この現実を見ろっての」
家の中央の部屋……ゴミがバラッバラに散らばり、マジで汚い部屋だ。
しかしその中央に、穴……階段があった。
ここから地下に下りるんだな。
『その移住民は北東部に集中していましたので……被害はあるかも知れません』
階段を下り始めながら、俺はウィズがアイズと話した事を聞く。
つーかどこまで下りるんだよ……下が見えねぇって!
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