6-60【さいきょーしゅぞく2】
◇さいきょーしゅぞく2◇
その日の夜、俺は静かに眠った。
一人で、自分のベッドで半年ぶりに眠ったんだ。
リアは、何故か……いや、多分
アイシアに異常に懐いていて、そのままアイシアの家について行った。
駄目だって言えば泣くし、我慢しろって言えば駄々こねるし……もう子供難しい!
数十分格闘して、結局アイシアがロクッサ家に連れ帰るという事に決まったのだが、そりゃあもう不安だらけだよ。
リアがまた暴れ出すことも考えられたし、アイシアを傍に居させてもいいのだろうかと……真剣に考えた。
そこで助けてくれるのが……【
『【女神アイズレーン】の会話によりますと、眼を持つ者……
「つまり……?」
『アイシア・ロクッサと共にいても、今すぐに能力が発動する訳ではないと思われます。それはアイシア・ロクッサも同様ですが、彼女の場合の能力は判明していません……リアは予測が出来ますが』
リアの能力か……それは俺も予測できるよ。
あの子の戦闘力、それは【
それは戦った俺が実感してる。だけど、あの凶暴性は違うはずだ。
「リアの
『はい。おそらく』
アイシアの能力は、分からない事だらけだ。
直接聞くわけにもいかないし、聞いたところで
なら、アイシアは知らなくてもいい。
俺はベッドから起き上がり、窓の外を見る。
そして……自分の両手の平を見て、言う。
「この手に届く範囲くらいは……守れるようにならないとな。アイツにも言われたし、なにより……俺が決めた選択を、アイシアに伝える為に」
それを宣言する為に、どれほどの困難を乗り越えなければならないのだろう。
たった一言告げるだけで、俺はそれを失う可能性があるんだ……でも、決めたことを
『……両方選べば?』
「……!……ア、アイズ!?」
俺は振り返り、その聞こえて来た声に驚く。
しかしドアは閉じられたままで、当然誰もいない。
「あ、あれ……?」
『どうしました?言葉を述べたのはウィズですが……』
「え、あ……悪い。何て言った?」
『……いえ。聞こえなかったのならそれでいいですが……』
「そうか……疲れてんのかな、俺」
ベッドに戻り、暗い部屋の
今聞こえたのは、
アイズの言葉で、声で……両方選べと言われた気がした。
両方……それはつまり、ミーティアとアイシア……その両方を選べと、言われた気がしたんだ。
俺が最も
異世界ならではのそんな展開を、一途に“大恋愛の道”を進もうとする俺が選んでいいわけがないと、俺はずっと思っているんだから。
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