6-58【EYE’Sの遭遇5】
◇
平気なのか……この子。
あの刺してくるような視線も、威圧してくるような魔力も感じない。
「アイシア、その子……何もしてないか?」
「え?何かって……なに?」
キョトンとするアイシア。
両手で頬を挟まれたままでも、しっかりとその眼で俺を見据えていた。
そりゃそうだ。
そうなんだが……こちらにも事情があってだな。
俺は再度アイシアを見る
正確には、アイシアの眼を見た。
(赤色だ。昨日の夜とは……全然違う)
アイシアの瞳の色は赤色だ。
【
「あ、ミオ。この子……」
「ん?」
アイシアは女の子を抱えて、膝の上に乗せて俺に向けた。
「はい、挨拶」
「――リア!!」
女の子は満面の笑みで俺に白い歯を見せた。
何ていい笑顔だよ……別人か?
「え……えぇ?」
それになんなのさ、そのほんわかムーブは。
親子……いや姉妹かよ。
「リア……って言うのか、名前。そう言えば、戦ってばっかで全然話せて無かったもんな」
「――え」
俺のその言葉に驚いて、目を丸くするアイシア。
戦ったという事に驚いている……んだよな?
「ミオ、こんな小さな子と……た、戦ったの?」
信じられないと言うように、口元に手を当てて言うアイシア。
待って待って、俺の信頼度……行かないでくれ。
「いや、それには色々と……訳がだなぁ」
「――訳?言い訳!?」
頭を掻きながら説明を考える俺に、アイシアは興奮気味に言う。
ちょっと待とうってアイシア。どうどう。
「待てってアイシア……説明するからっ!落ち着いて、頼むから!」
「む、むぅ……平気?リアちゃん」
「う~ん。痛かったっ!」
「……ミぃオぉ~」
「いやいや!それを言うなら俺も君に腕折られたんだけど!」
「折れた!?全然平気そうじゃない、ダメよ嘘言っちゃ!」
噓じゃないんです!天上人に【
「ちがっ……くはないけど、誤解なんだっ!その子は【
「はぁいぃぃ??」
なんとも
信じられませんよねそうですよね!
俺だって、こんな小さな子がいきなり最強種族だとか言われても、信じない自信があるよ!でもさ、マジなんだ!
「その眼止めろって、良心に刺さるからぁ!」
アイシアの疑惑の目は続いている。
ということで、俺はまず……そんな疑惑の目を向けてくるアイシアに説明する所から始めなければならない。
このリアって少女の事を、俺の事を……
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