6-53【そして輪廻は巡りゆく2】
◇そして
俺の幼馴染、アイシア・ロクッサ。
そんな彼女に
その理由は、【女神アイズレーン】と同一の存在になるための――
「
「この身体になってもう直ぐ千年……もう
「ど、どういう事だよっ!アイズはアイズなんだろ!?なんでそんな、自分じゃなくなるみたいに――」
「継承されるのは――だけだからよ」
「な……っ」
つまり、今ここにいるアイズは……死ぬ?
「新しく神になった
頭を抱えて、アイズはそれを苦悩だったと思わせるような口ぶりで語る。
「お前も……
「そうよ。あたしは普通に、この村で生まれた村娘だった……アイシアと同じでねっ。だからあたしは、この村を作ったアイズレーンを知らないし、記憶もない……ただ、事実だけが残ってる。どれほど前か知らないけど、アイズレーンがこの村を
前のアイズレーン。
自分ではない自分が大昔に行った事すら、今のアイズには記憶がないのか。
ただ、歴史として知っている……それだけ。
「じゃあ、記憶は……アイシアも?あの子も?」
「……記憶は人間だった頃のままよ。あたしもそうだもの……でも、女神になれば自由は利かない。主神は直ぐに神界へ呼び戻すでしょうし、なにより長い年月は……記憶を薄れさせる」
「避ける……方法は?」
くそっ……なんだ、喉が
アイズの話を聞いてから、
アイズの事もそうだけど、なによりアイシアの事が、アイシアに
「無いわ。あったら試してるっての……」
「……」
何千年も前から女神は存在していたのだろう。
アイズレーンも、その枠に収まる存在だった……でも、女神の証明は力だけ。
記憶も感情も、女神には必要ない……そう取れた。
「あたしは神界から、アンタの能力を回収するって命令を受けてる。それは他の女神も同じでしょうね、イエシアスとか」
「あ、ああ……」
「主神は
アイズ……お前もしかして、神が嫌いなのか?
「あたしの寿命が尽きるまで……おそらく後、数年しかないわ」
「――!」
「そうなれば、この世界で生きている六人のうちの
そのうちの一人が……アイシアだって言うのかよ。
あの【
「いきなりそんなこと言われて……どうすりゃいい。アイシアはどうなる?お前は……?」
「あたしはいい。もう充分生きたもの……でも、これからの未来ある人間たちに背負わせたくはないの……だから協力して、あたしの寿命があるうちに」
それは、
だけど、俺に断れるわけはない。断れるわけは……ないんだ。
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