5-33【イリア強化作戦4】
◇イリア強化作戦4◇
総合商店市場……通商【ステラマーケット】に入り、俺たちが真っ先に向かう場所は、この大量の素材を売却する為の所だ。
マーケットの中には沢山の店があるが、それぞれの店で買い取り価格が違うのは当たり前だよな……その中でも、以前俺が素材を売りに行った店があるんだ。
その店はアクセサリーショップであって、素材はそのアクセサリーの加工などに使えるそうだ……まぁ、【スケルトン】の素材で作った装飾が何になるか、俺には想像できんけどさ。
アクセサリーショップ【
どこからどう見ても熊の獣人だと言うのが分かるほどの、大男だ。
最初に見た時はビビったけど、話せば結構普通の中年って感じだったよ。
ふふふ……思っただろ。
【
いや……マジでごめん。
アホな事を考えながら、俺たちは店内に入る。
カランカラーンと、まるで喫茶店のようなベルが鳴り……店主が気付く。
「――お?おおっ!ミオの
デケェ……十五になって更に身長が伸びて来てる俺だけど、この熊のおっちゃんには
2
「――うっす。熊のおっちゃん……また買い取り頼むよ」
入店早々、俺の顔を見た熊のおっちゃんは嬉しそうに笑顔を見せる。
うん、上から見下ろす笑顔が怖えよ。
「よっっ、と……今回はこんだけっ」
ドッ――とカウンターに麻袋を置き、熊のおっちゃんは丸い瞳を
「おほーーー!!」
麻袋を
いやまぁ嬉しそうにしちゃってさ、まだ売るとは言ってないけど。
◇
「す、すごい大きいですね」
「そうね、まさしく熊……って感じだわ」
「……可愛い」
「「え?」」
キルネイリア、ミーティア、クラウの順番だった。
クラウのぼそりと
「クラウ、もしかしてああいうおじさまが好み?」
「意外です。ミオのような
ミーティアとキルネイリアに畳みかけられるクラウ。
「――なっ!!違う!――私はただ、熊のぬいぐるみのようで可愛いって!!」
クラウはぎょっとして、否定するが。
別に大男が好きな訳ではない。
「え~?」
「怪しいです……」
それでも、二人の視線はわざとらしくにやけている。
意外な一面ではあっただろうが、ここまでからかわれるのかと……クラウは怒る。
「――ち、違うったら!変な印象付けないでっ!!怒るわよっ!?」
そう言いながら、もう怒っているクラウだった。
◇
わんやわんや……
「す、すんません……」
平謝りする俺も、熊のおっちゃんは。
「いやいや。構わねぇよ……この年になって若い嬢ちゃんに可愛いなんて言ってもらえんだ、獣人
す、すまんおっちゃん……うちの姉が。
ガドランダのおっちゃんは笑ってくれるが、これがまた怖い笑顔なんだよなぁ。
「は、ははは……」
眼光
いやいや……マジで怖いって、今にも食われちまいそうだ。
『――獣人は人間族を食べる風習はありませんが。どういった事でしょうか』
おっと……知ってるって。例えだよ例え。
俺よりも
【
うん、それがいい……その方が俺も、付き合いがいがあるしな。
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