5-25【叡智さん1】
◇
目を覚ますと、何ともスッキリとした気分だった。
ここ数日(依頼の
『――それは、ウィズが
うっるせぇ……起きたてに、昨日の夢が現実だったと突き付けてきやがった。
「……【
『そうです。ご主人様……【
ロストチャイルドって……迷子じゃん。
ウィズダムが
『これは神が名付けたものですから、正式名称とは言え納得はしていません。ですのでウィズとお呼びください――いいですね?』
おい、なんで圧かけてくんだよっ!!
俺はベッドから起き上がり、洗面所に向かった。
起き立てだってのもあるが、気合を入れないと今日一日で心労を起こしていしまいそうな気がしたんだよ。
それに、独り言をミーティアに聞かれる訳にはいかん。
『――失礼な。分は
ふっふ~ん――と聞こえてきそうな、そのどこぞの女神を思わせる
綺麗な声は、完全にポンコツのそれだった。
俺の脳内で再生される
直ぐにミーティアが起きて、二人で朝食を済ませ、昨日のささやかな誕生日パーティーの話をしたり、今日の予定を話し合っている最中……ウィズは、ずっと俺に話しかけて来ていたんだ。
ポンコツ女神、アイズのような
それでも本家より
けれども偉そうで、とてもしつこい。
上から目線で生意気な感じがそっくりだ……腹の立つ事この上ない。
そんな能力――【
その名の通り知恵のある者なのだろう……俺をサポートしてくれる存在だ。
今や異世界物にはよくある話になって来た、お供の登場だよ……だけどさ、この語り口、しつこいほどの口数。
なんだか、もう能力だとかはどうでもよくなってきたよ。
「……ミオ?」
「――ん?」
集中出来んっ!!
すまんミーティア、なんて言ってたっけ?
『――じゃあ準備をしましょうか、イリアの所へ行くのでしょう?――と言っていました。ご主人様、報告終了です、お
ウザイ。どこぞのポンコツ女神を思い出させるな!
あと、今のってミーティアのものまね?上手過ぎねぇか?
「よし、じゃあ行くか。イリアの様子を見に」
「うんっ」
ミーティアは笑顔で返事をする。
そしてウィズも。
『はい』
いや、お前はいいから。
ミーティアは【幻夢の腕輪】でトレイダ・スタイニーに変身し、寮を出る準備を始めた……俺も見習って準備をしよう。
はぁ……それにしても……やっぱり、今日も疲れそうだなぁ。
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