4-39【クルセイダー4】
◇クルセイダー4◇
トレイダとの会話もそこそこに、大臣閣下がこの場を後にした。
気になる事も何個かあったけど、今はそれどころじゃない。
その後だが、俺とトレイダは二年生と合流した。
学校案内で、俺たちを案内してくれたその先輩には、後で謝らないといけない……
まぁ、それは後で寮に帰ってからでもミーティアに聞くからいいか。
問題は……シャーロット王女。
俺は、彼女が怖い。
理由は分からない……ただ、訳も無く怖いんだ。
いろいろ考えたよ。
まずは転生者……だけど、クラウ姉さん以降の転生者はいないと言う点だ。
シャーロット王女は年齢的に俺より下らしいから、可能性が低いと思うんだけど……まぁ、俺より後に死んだクラウ姉さんが俺よりも年上として転生している時点で、その
だけど、転生者は違う気がするんだ。
理由はマジでないんだけどさ。
「――ミオっ、聞いてるかい?」
「……あ。ご、ごめんミーティ――」
「――ちょぉぉぉっ!!」
「――アぐんっ……!」
両手で口を
俺、なにか変な事言ったか……――い、言ったわ!!
「ぷはっ……ご、ごめんトレイダ!」
まだ校内だった……注意しなければならないとか言っといて、俺がポカをするとこだった。すまんミーティア。
「――ふ~。よかった……誰もいなくて、もう……どうしたんだい?ボーっとしてさ」
「いや、その……ちょっと、疲れたかな?」
それは本当の事だ。精神的に疲れたよ。
あと……寝不足だしね。
「大丈夫かい?今日は早めに帰ろうか、もう説明は終わったし……レイナ先輩も帰ったしね」
う~ん。レイナ先輩?
俺たちの案内役の先輩か……すまん。記憶にない。
「そ、そっか……ごめん、あまり聞いてなかった」
「ええ!?レイナ先輩、あんなにミオの事を
そ、そうなのか?
どんな先輩かは知らないが、これはしっかり聞いておけばよかった。
そんなポカをしそうになった俺と、しっかり止めてくれたトレイダは歩いて寮に戻る。
その途中で、トレイダが。
「――あ、ミオ!ほらあれ!」
「ん?」
トレイダが手を差し向ける。
指をささない所が、育ちが出るよな。
そんな差し向けられた手の先、寮前の噴水近くにある休憩用のベンチに、一人の少年が座り込み、死にそうなほど
「あ、あいつ……」
黒い髪、黒い瞳の……日本人を名乗る男。
「――ユキナリ・フドウ」
「だったね、確か」
あいつ、何で一人なんだ?
二人一組はどうした。あれぇぇぇぇ?まさか、ボッチですかぁ?
おっと……どこぞのポンコツ女神のような口調になってしまった。
「どうする?なんか凄く困ってそうだけど、行ってみる?」
「……そう、だな」
トレイダの言葉に、俺は
正直言えば、話しては見たいかな。
変に勘繰られるのは困るが、警戒を最大限にして……少し
「じゃあ、行ってみるか……トレイダもさ」
「うんっ!」
いい笑顔だよ。ミーティアの時に見たかったね、その顔。
ふぅ……さてと、どう転ぶかな――ユキナリ・フドウ。
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