4-26【新入生歓迎会1】
◇新入生歓迎会1◇
三月も終盤に入り、一年生同士の入寮の
休む間もなく、新入生の歓迎会が行われた。
場所は校内に
まぁ、パーティー会場のような場所に近いかな。
取り仕切っているのは二年生の先輩で、俺たち一年生はただいるだけ。
飲み食いをして、顔を見せる程度だな。
「――ミオ」
ん……?
「……ああ。クラウ姉さん」
俺の
俺には分かる、これはうんざりしているんだ。
疲れた顔しちゃってさ。
クラウ姉さんは、先程からいろいろな人に囲まれていた。
同級生や先輩方……その人たちからすれば、うんざりしているクラウ姉さんの顔も、
「――つ、疲れた」
「ご苦労様。ほら、椅子に座りな?」
俺は、ぐったりのクラウ姉さんを椅子に座らせて、肩を揉む。
「あ~……胸が重いからこるわ~」
でも、こってるのは確かだ。疲れだろうな。
「――で、どうだった?先輩たちからの歓迎は」
「……疲れるだけよ。でも、強そうな人もいるわね」
お疲れの姉の肩を揉みながら、俺は納得したように言う。
「だろうね。世界中から集まっているんでしょ?冒険者になりたい人……しかも」
周りを見渡す。
俺たち新入生だけでも、結構な年齢層だ。
下は今年で十五歳……上は五十三歳だってさ。
そうだよ、俺が最年少だ。
去年は十歳の天才ちゃんがいたらしいけど、今年は俺が最年少って訳だ。
そしてクラウ姉さんが……今年度の首席代表だ。
これが、お疲れの理由だな。
「クラウ姉さんは首席に選ばれてるしね。注目されてるんだよ」
「試験官が弱すぎたのよ」
「……そ、そんな事は」
三日前、新入生全体で実戦試験が行われたんだよ。
そこでクラウ姉さんは、なんと満点を出した。
文句なしに、今年度のトップだ。
普通に頑張ったんだけどさ……なんか、俺の能力(魔法と言う“てい”)は……戦闘向きじゃないんだとさ。
そんなの、俺が一番知ってるっつーの。
それでも十三位に入れたのは、【カラドボルグ】による剣技と、身体能力の
能力を
対魔物、対犯罪者、対軍人……その全て、クラウ姉さんは一位だ。
「……力を抑えて
クラウ姉さんは試験官を、【クラウソラス】で全員……
試験もクソもないっての。
「それは俺も同じだって。俺はしっかりと抑えたんだから……」
【カラドボルグ】の力は、触れる直前から相手を切り
魔力で
そのせいでさ、【金ぴかの剣を持つイケメン】……って呼ばれたんだぞ。
イケメンはいいとしても、どこの道楽貴族だよっ!!
「ミオはいいわよねぇ。私なんてそのせいで――【
「……」
カッコいいじゃん!【
【金ぴかの剣を持つイケメン】だぞ!?イケメンはいいよ、嬉しいよ!
だけどまぁ……確かにあの時の会場は異常だった。
クラウ姉さん以外の人……全員ぶっ倒れてんだもん。
下手すりゃ、死んでてもおかしくないわ。
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