3-23【あの時の謝罪】
◇あの時の謝罪◇
だってさ……この目の前にいる
下手をすれば、殺していたかもしれないし……殺されていたかもしれないんだ。
そんな男が、妹に怒鳴られてシュンとしている姿を目の当たりにしている俺は、どんな顔をしているのだろうか。
もう……あれだろうな。
居た
「いいなジェイル、まずは謝罪だ……あの時はごめんなさいって、言うんだぞ?ほら、ミオに頭を下げるんだっ」
子供の
「――分かった。
すんのかよ!!いいのかそれで、お兄ちゃん!!
あの時の鬼気迫る追いかけっこは何だったのっ!!
「……ミオ・スクルーズ」
「な、なんすか……」
ジェイルは俺に向き、少し寄って来て。
「すまなかった……」
と、頭を下げた。
いや……謝罪は分かったよ。
ジルさんが散々アンタに言ってるのを聞いて、謝ろうとしてたんだなってのは理解した。
でもさ、そもそもなんでこの人がここにいんの?
「いや……まぁ別に、生きてるし害はないんで……いいですけど」
「そうか、助かる」
頭を上げて、ジェイルは
そうしてたらマジでイケメンだな、アンタ。
「でも、さっきも言ったけど説明はしてくれ。そうじゃないと、理解が追い付かねぇから」
俺さ、
だけど、これは
「ああ、承知している。馬車に乗ってくれ……道すがらにでも話そう」
「分かった……ましたよ……」
やべ……ジルさんが滅茶苦茶こっち見てた。
やっぱり違和感なのかな?俺の口調。
◇
ガタン――!
「
いっでぇ!頭打ったじゃねぇか!気を付けてくれよジェイル!
「すまん。道が悪くてな……」
そりゃどうもすいませんねっ!
ド田舎なもんで、道の整備が出来てないもんでっ!
「……ミオ・スクルーズ」
「――なんすかっ!?って運転
「それに関してはすまんと言ったぞ。それと……ミオ・スクルーズ」
「いちいちフルネームで呼ぶなよっ!もうミオでいいからっ!なにさ!?」
もう知らん。ジルさん見てるがもういいだろ。
ジルさんなら、変な事を言うような人じゃないだろ。多分な。
「改めて謝罪する……命令とは言え、お前を襲った事……
「王女様の命令って奴か?……それじゃあ聞くけど、なんで俺を狙ったんだ?」
「――分からん」
なるほどねー。分からんまま命令を聞くなよ!
ちゃんと命令の理由を聞いて、納得してから行動してくれ!
「……言っておくけど、俺は王女様を知らないっすよ?」
「だが
あの子供?そう言ったのか、王女様が?
二年前だから……俺よりも一個下で、当時十一歳か?
「……なんだそれ」
マジでなんなんだよあの王女様。
それじゃあまるで、あの王女様の方が、俺よりも年上のようじゃないか。
そんな違和感と共に、俺の中で……あのシャーロットとか言う王女様に、不信感が
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