エピローグ2-2【しかし物語は動き出す】
◇しかし物語は動き出す◇
俺が目を覚ました後、部屋に父さんとレイン姉さん、そしてジルさんが入ってきた。レイン姉さんが呼びに行ってたからな。
ジルさんは、まだボロボロだった。
包帯や眼帯とかをしててさ、俺より
聞いたところ、俺が眠っていたのは三日らしい。
魔力の回復はアイテムでやってくれたようだが、体力は別らしい。
アイテムで傷を治せても、体力は無理なんだとさ。
そして、更に三日後。
「――外だぁぁぁぁ!」
陽射しを浴びて、俺は両腕を伸ばして
ようやく、俺は退院した。
父さんとレイン姉さんは、報告の為に先に村に帰っている。
【クロスヴァーデン商会】の馬車で送ってくれたらしいよ、安心だね。
多分、皆に心配かけたよな……もしかしたら、クラウ姉さんには殺されるかも知れん……そっちの方が心配なんだが。
「――ミオっ」
「あ……ミーティア。見送りに来てくれたんだね……」
そう。俺も……今日帰るんだ。
ミーティアは毎日のように見舞いに来てくれて、果物だったり弁当だったりを持って来てくれたよ……感謝だ。
「うん。次に会えるのは……えっと、何日後かな?」
「あ~どうかな……僕が寝ている間に、どうやら契約も上手くいったみたいだし……しばらく【ステラダ】には来れないかもしれないですね」
「そう、よね……遠いものね……」
そうだ。用もなくは来れない。
今から俺も送ってもらうが、それだって馬車だしな。
村には馬車がないから、気軽には来れないんだ。
「――ミオ、私……会いに行くわね……」
わざわざそこまでしなくても……って言うのは、ダメだな。
「はい、僕も……こっちに来れる様に努力します」
ミーティアが成人するまで、五年間ある。
向き合うんだ……村にいるアイシアと、目の前にいるこのミーティアと。
「それじゃあ……」
「うん……」
馬車に乗る。御者はジルさんではない。
あの人も、無理をしていたらしいから……重傷だったんだよ。
よく動けたな、マジで。
「出発してもよろしいですかな?」
御者のおっさんが言う。
本当に普通の人、名も無きおっさんだ。
「はい!お願いしますっ」
別れは
「――ミオ!」
「……え?」
振り向いた瞬間だった。
「……は?」
え?っと……キス?
「――つ、次は……く、く、口にするから!!……じゃあ、またねっ!!」
何とも過激な次回予告をして、タタタっ――と、馬車より先に駆けて行った。
この前のように、耳まで真っ赤に染めて。
「え~っと。お客さん、出発しますよ?」
「――あ、はい……」
もうさ、村までの道なんて覚えてないよ。
どうなるんだろうな……俺の異世界生活。
◇
ここは、光の国――そう言い表すのが、一番しっくりくるほどの
ちょっと!……マン兄さんはいないわよ。
ここは神界……あんたたち人間が、そう呼ぶ場所ね。
私は……あーめんどくさい。あたしの名前はアイズレーン。女神よ。
今、あたしはある所に向かっている。
それは、主神様のいる場所……【
あたしが
「はぁ~~~~~~~~~……もうやだ……帰りたい」
あたしの失敗は……一人の転生者に、残っていた全ての
そのせいで、新しい転生者を送る事が出来なくなったのよね。
神が行う転生の
プライベートの
神にもあるのよ?一応、そういうめんどくさぁ!なもの。
「――あー、ゴホンゴホン!!エッフン……」
音もなく、魔法の扉は静かに開いた。
「失礼します……
ちょっと誰よ。
今、
「よく来たな。アイズレーン……
主神様……【レネスグリエイト】。
全知全能、
でも……やる気を持たない気まぐれな神。
様々な世界を
「はい……承知しております。
「うむ。行け……そして
【転生の儀】……死んだ人間を、異世界に転生させる儀式だ。
あたしたち、神の持っている能力を複製し、俗に言う神話などに出てくる武器防具、それの一つを与える――
あたしは、それを一人の人間に……残っていた能力と武器、全てを与えてしまったのだ。
「――かしこまりました……主神、レネスグリエイトさま……」
そうだ、あたしはこれから……異世界に降りる。
探すのだ、転生者……
~ 第2章【思春期の俺。十二歳】編・エピソードEND~
―――――――――――――――――――――――――――――――
次話から3章【反抗期の俺。十四歳】【少年】編・下が始まります。
今後もどうぞ、よろしくお願い致します。
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