第26話 直樹の恋バナ

 ああもう!なんでこうなるんだ!なんで人生ってこんなにうまくいかないんだ?!

「都市伝説伝」にでも、何か願い事を叶えてくれる都市伝説があったような?

いや、僕都市伝説は基本信じないからな!うん、きっと大丈夫!・・・のはず。

そして、鬼から逃げる覚悟で走った風馬は、あっという間に海賊の秘密基地に到着。


「それでは、海賊軍出撃会議、初めて来たいと思いま~す!」

「始めま~す!!!!」

リーダー宏太の号令で、始まる。

「それでは、今回の議題は~デロデロデン!今こそぶちまけたい、素朴な悩み!」

おお、今の僕にぴったり!てゆっか、こういうつまらない議題ばかりだ。この

会議。おっといけない、「海賊軍出撃会議」だった。またまた、カッコよくない

名前を、付ける必要がないものに付ける。これが魅力でもあるが(?)

「それじゃあ、悩みがある人てぇ~挙げて!」

南斗、介司、真一、直樹が手を挙げた。もちろん僕も。悩みは当然恋の話。

「それじゃあ~、南斗くぅ~ん!!」

大悟が南斗を当てる。最近僕は南斗と仲がいい。解決してやらなくっちゃな。

すると、南斗の悩みは、人間関係についてだった。それなら、和希の経験がある

から行ける。というわけで、僕がアドバイスしてやると、南斗は、すぐに納得して、

受け入れてくれた。介司は、南斗と同じで、友達関係。真一は、海賊軍団にいる

ことをからかわれたこと。そして、直樹は―—―

「好きな人がいるから、恋の相談だ」

「ええっ?!」

「おい、風馬どうした?風馬も実はそう?」

さすが大輔。源太郎にも、アイコンタクトで「言っちゃえば?」と言われた。

「僕も今恋をしてるんだよね。だから、直樹の悩みにもこたえられると思う!」

「さすが風馬~!相談にのってくれる?まずは、恋バナをしとくね♫」

ずいぶんと楽しそう。それだけ、悩みにのってくれて嬉しかったのだろうか?

「僕は、3組、直樹と源太郎がいるクラスのある女の子が好きになったんだ!!」

「は、はい・・・」

「でも、僕は5組だし、会う時間はほとんどないんだ。あの子は、すごいビシッと

してそうな子だからね、こっそり会うこともできない。で、登校や放課後に一緒に

歩けたらいいなぁ~って思ってるんだけど、僕みたいな目立たない男子なんか、誰?

ってなりそうだし、いきなり言っても、フラれると思うんだよね」

ふんふん。そりゃいきなり言ったらフラれるわ。

「風馬みたいなできるやつだったら、いけそうなのに」

「そうかな?スポーツはできても勉強はあまりできてないよ」

「それは置いといて。それで、僕はその子と付き合いたい!でも、恥ずかしくて

言えないし、言ってもフラれそう。誰かアドバイスがある人、ください!!!!」

「う~ん、どうだろ・・・」

「ない?ほんとに無いの?!ねえ、誰かぁ~!!お~ね~が~い~!!」

小さい子供のように、直樹は、床に転げてバタバタ。てゆっか、直樹の好きな人って誰だろう?

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